話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、神殺しの能力を持つ少年と、それを支える少女たちの戦いを描いた「カンピオーネ!」です。7月から始まった放送も最終回に向けて、異世界の戦いで力を使い果たした主人公の前に、強大な神が出現して絶望的な戦いを強いられるというストーリーが展開されます。アニメ制作会社「ディオメディア」の草川啓造監督に作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?
うれしかった事といえば、カンピオーネは劇伴音楽がすごくいいんですよ。作曲されたのは加藤達也さんという方なのですが、壮大で神々しい曲や、品の良い日常・コミカルシーン用の曲など、どれも名曲で、いい曲が上がってくるとテンションも上がりますね。
面白い話といえば、神様を扱う作品ということで、2話目の収録前にアフレコ会場でおはらい式をやりました。アフレコブースに祭壇が設置され、神主さんが祝詞(のりと)を唱えるというちょっとシュールな光景で、神主さんが原作の丈月先生の名前かんでしまった時は、不謹慎ながら笑いをこらえるのに必死でした。後で聞いたら先生もやはり笑いをこらえていたそうです。
−−作品の魅力は?
ペルシャの神ウルスラグナを倒した主人公草薙護堂が神殺し「カンピオーネ」となり、ウルスラグナの10の権能を駆使してまつろわぬ神々とバトルを繰り広げる……というのが大筋のストーリーでした。
一番のポイントは、まつろわぬ神を倒すために必要なのがその神様に関する知識で、その知識を得るためにはパートナーであるヒロインたちとキスする必要があるというところです。「教授の術」という、経口摂取(つまりキスですね)による知識の伝達方法があって、必要に迫られて主人公とヒロインたちがキスするのですが、それをいつするのか、どういうシチュエーションでするのか、というのが見どころの一つでもあります。あと、神様に関するうんちくを言霊「黄金の剣」として相手にぶつけて戦うというバトルの形式も魅力の一つです。
−−アニメにするときに心がけたことは?
神様に関するうんちくを言霊「黄金の剣」として相手にぶつけ切り裂く、という奇抜なバトル形式をビジュアル化することがこの作品の難しいところであり、キーとなる要素でもあると思いましたので、その表現には気を使いました。もちろん、それにまつわるキスシーンも重要なポイントですので、そちらもできるだけ濃厚な表現になるよう気を配りました。
−−アニメの1話が原作のライトノベルの始まり方と違いますね。
原作ではエリカと護堂の関係がすでに出来上がっているところからスタートして、その後「出会いのお話」が語られているのですが、アニメ的には時系列を直線的にした方が主人公やヒロインに感情移入もしやすく、お話としてもわかりやすいのでは、ということでストーリーの順番を入れかえています。1クール13本という限られた本数の中で原作の魅力をなるべく多く詰め込もうとした結果でもあります。
−−最終回を前にファンに一言お願いします。
キスは世界を救う! 神殺しとヒロインたちの織りなす壮大な世界観を楽しんでいただければ幸いです。
ディオメディア アニメーション演出 草川啓造
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