アジア最大級の映画祭「第25回東京国際映画祭(TIFF)」が28日閉幕し、六本木ヒルズ(東京都港区)でクロージングセレモニーが行われた。15作品出品されたコンペティション部門から最高賞の「東京サクラグランプリ」に輝いたのは、仏映画「もうひとりの息子」(ロレーヌ・レヴィ監督)で、最優秀監督賞とのダブル受賞となった。昨年の受賞作「最強のふたり」に続いて、仏映画が2年連続で「東京サクラグランプリ」を受賞した。
ウナギノボリ
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「もうひとりの息子」は、パレスチナ問題を背景にした物語。兵役用健康検査の結果、両親の実子でないことを知ったイスラエル人の青年。出生の際の手違いが明らかになり、やがてイスラエルとパレスチナの二つの家庭のアイデンティティーと信念とが大きく揺さぶられる事態に発展、根深い憎しみからの解放を巡る感動のドラマが描かれる。
レヴィ監督は「これは本当ですか?」と信じられない様子で、「今日は最高です!」と大喜び。キャストやスタッフ陣にお礼を述べて、「この賞をイスラエルとパレスチナの子供たちにささげたい」と受賞を喜んだ。
一方、コンペティション部門で一般客から最も多くの支持を得た「観客賞」には、追突事故で高次脳機能障害を負ったディジュリドゥ奏者を描いた「フラッシュバックメモリーズ3D」(松江哲明監督)が選ばれた。同映画祭の3日前に作品が完成したという松江監督は、「本当にいろんな方にご迷惑をかけてしまって……。でも、(上映後)お客さんがあたたかい拍手や感想を伝えてくださった。本当にありがとうございます」と喜びを語った。
<コンペティション部門>
■東京サクラグランプリ/「もうひとりの息子」
■審査員特別賞/「未熟な犯罪者」
■最優秀監督賞/ロレーヌ・レヴィ 「もうひとりの息子」
■最優秀女優賞/ネスリハン・アタギュル 「天と地の間のどこか」
■最優秀男優賞/ソ・ヨンジュ 韓国:「未熟な犯罪者」
■最優秀芸術貢献賞/パンカジ・クマール 「テセウスの船」撮影監督
■観客賞/「フラッシュバックメモリーズ 3D」
<natural TIFF部門>
TOYOTA Earth Grand Prix/「聖者からの食事」
審査員特別賞/「ゴミ地球の代償」
<アジアの風部門>
最優秀アジア映画賞/「沈黙の夜」
アジア映画賞 スペシャル・メンション/「ブワカウ」「兵士、その後」「老人ホームを飛びだして」
<日本映画・ある視点部門>
作品賞/「GFP BUNNY−タリウム少女のプログラム−」
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