中越典子:「周囲にパワーを与えられる人に」 BeeTV「悪の教典−序章−」に出演

1 / 10

 ヒット中の映画「悪の教典」(三池崇史監督)の前日譚(たん)となるケータイドラマ「悪の教典−序章−」に女優の中越典子さんが出演している。人気作家・貴志祐介さんの小説が原作の「悪の教典」は、高校内で生徒からも同僚教師からも絶大な人気を誇る主人公の英語教師、蓮実聖司(伊藤英明さん)が実は他者への共感能力を全く持ち合わせていないサイコパス(反社会性人格障害)で、邪魔になった人間を次々に殺していく……というショッキングな内容が話題を呼んでいる。「序章」で中越さんが演じるスクールカウンセラーの水落聡子は、蓮実の本性を知らずに恋心を抱き、不幸な運命をたどる。また中越さんは物理教師の釣井(吹越満さん)の妻・景子という全く異なる二役を演じている。そんな中越さんに理想の女優像やオフの過ごし方などについて聞いた。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 中越さんは自身の性格を、演じた聡子と比べて「私も(聡子と同様に)一歩踏み出せないところもありますけど、あんなに簡単に人を信じられない(笑い)」と話す。そして、女優という職業を選んだことで「1人でコツコツと何かを作ったりするのが好きなので、そういうの(職業)を選んでいたんじゃないかなと思うと、今の(女優という)世界を選んだことで、役についていろいろ調べたり、いろんな人生を一瞬でも(役柄で)生きられたりして、また現場や取材などで出会う人たちがいて、いろんなことに興味を持って生きられています」と目を輝かせる。

 今後、演じて見たい役柄を聞くと「岩下志麻さんがすごく好きで、『極妻(極道の妻たち)』にはかなりあこがれがあります。五社(英雄)監督の作品とか、日本の少し昔の任俠ものとかが好きでたまらないんですね」と意外な答えが返ってきた。岩下さんのように「凜(りん)としていて、自分がすごく楽しく生きているという姿を見せられる人がいいなと思います。芝居だったり、私生活でいろんなことを表現するにしてもちょっと悩んでいたりしている人にパワーをあげられるくらいの人になりたいし、情熱的な人が好きなので、もっと情熱的になりたいです」と外見の清楚(せいそ)なイメージとは異なる熱いものが中越さんの中には流れているようだ。

 休みの日は「絵を見に行ったりもしますし、人形作りの日もあれば、陶芸をする日、ゴルフの練習に行くこともあるし、スキューバダイビングをしたり……。いろいろやりたいことがありすぎてだめなんです。映画を見に行ったり、本を少しずつ読んだり……。本当にやりたいことが多すぎて時間が足りないという感じです」と忙しく過ごしている。

 あとは「好きなときにおいしいものをいっぱい食べます。野菜も、お肉も、お魚も、結構自由に。そしてお酒も飲んで。お酒はあったら楽しいという感じ。酔っ払いますね。酔っ払わないと、(周囲に)ああ酔ってないなと思われると気を使われるじゃないですか。酔っ払っちゃうと楽しいですよね」と笑った。

 女性が輝き続ける秘訣(ひけつ)をたずねると「実際にあこがれの岩下さんにお会いしたことがあるんですが、スターとかああいう(地位を確立した)方々って、自然体なんですけど、私たちにまですごく気遣いをしてくださるんですよね。気遣いはとても大切なものだろうし、加えて、本当に今、自分がやっていることが大好きという、愛情みたいなものがとても強いのかなと。それが自信につながっていて、表現できたときには周りに(そのパワーを)与えられるようになれたら最高ですね」と将来に向けて思いをはせていた。

 <プロフィル>

 なかごし・のりこ 1979年12月31日生まれ、佐賀県出身。ファッション誌「ViVi」のモデルとして活躍後、99年にドラマ「天国のKiss」(テレビ朝日系)で女優デビュー。00~02年には情報バラエティー番組「王様のブランチ」(TBS系)に出演。03年に出演したNHK連続テレビ小説「こころ」で東京・浅草のうなぎ屋の娘役で主演し、ブレークした。04年にはフジテレビの月9ドラマ「プライド」に出演。05年のNHK大河ドラマ「義経」では建礼門院徳子役で出演した。NHKのバラエティー番組「サラリーマンNEO」にも06年からレギュラー出演している。おもな映画出演作に「ストロベリーショートケイクス」(06年)や「グミ・チョコレート・パイン」(07年)、「ドロップ」(09年)、「孤高のメス」(10年)、「岳」(11年)などがある。「悪の教典−序章−」は携帯電話専用放送局「BeeTV」とドコモのスマートフォン向け動画配信サービス「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」で配信中。DVDでも発売中。3990円。 

写真を見る全 10 枚

芸能 最新記事