97年に公開され、興行収入193億円を記録した宮崎駿監督の代表的な劇場版アニメ「もののけ姫」の舞台「Princess MONONOKE~もののけ姫~」の、本番直前の公開舞台げいこが29日、東京・渋谷の「アイアシアタートーキョー」で行われた。英国の劇団「Whole Hog Theatre(ホール・ホグ・シアター)」の創設者の一人でアートディレクターでもあるアレクサンドラ・ルターさんは、先日上演された英国での反応について「大変好感触で、初日はスタンディングオべーションだった」と手応えを語り、「宮崎駿監督にお会いできたら、ぜひ率直な感想を聞きたい」と対面を熱望していた。
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舞台は、ルターさんがジブリ作品に感銘を受け、昨年春に「もののけ姫」の舞台化を宮崎監督に直々にオファー、テスト映像を見た宮崎監督がOKを出し、英国での舞台化が決まった。宮崎監督が自作の舞台化を許諾するのは初めてで、久石譲さんの音楽もアレンジを加えて使用され、神様が登場する場面などは数人で操るパペットで表現した。タタリ神を大量のビデオテープで表現したり、水や神の体を透明なビニールをはためかせ、また、セットの小道具や衣装をペットボトルや古着をつなぎ合わせるなど、廃材を利用している。
宮崎作品初の舞台化について、ルターさんは「新しい解釈や自分たちのアイデアを取り入れつつ、観客の映画から感じた感動を、バランスを取りながら共存させるのが大変でした」と苦労を語り、アクションの表現については、日本で見た文楽を参考に「人形遣いの方の細部にまでこだわる正確さを見て、舞台にも役者の動きにスローモーションを多く取り入れた」と語った。劇中では、特徴的なダンスを取り入れており、「言葉を使わず身体表現を使うことで、特に日本公演では、せりふで伝わらない部分も動きで伝えたかった」と語った。
ヒイ様役を演じた日本人の出演者、三宅由利子さんは「宮崎監督の大好きな作品の中の一員になれるなんて、さらに日本で公演できるなんて」と感激し、アシタカ役を演じたマキシミリアン・トロイ・タイラーさんは「日本で凱旋(がいせん)公演できるのは、またとない機会で光栄です。日々の公演でますますよくなっていくと思う」と自信を見せていた。舞台は、2~6日に英国のニュージオラマシアターで行われており、“誕生の地”日本では、アイアシアターで5月6日まで上演する。(毎日新聞デジタル)
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