コミケ84:日本のマンガ規制に懸念 米国の識者が指摘

「コミックマーケット84」で講演を行った非営利団体「コミック弁護基金」のブラウンスタインさん
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「コミックマーケット84」で講演を行った非営利団体「コミック弁護基金」のブラウンスタインさん

 米国でマンガの表現規制から起きる問題に取り組んでいる非営利団体「コミック弁護基金(Comic Book Legal Defense Fund)」のチャールズ・ブラウンスタイン事務局長が11日、東京ビッグサイトで開催中の「コミックマーケット84」で講演を行った。ブラウンスタインさんは「日本でマンガへの規制ができれば、世界中でマンガの規制が強まる」と懸念を示した。

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 ブラウンスタインさんは、米国で1940~50年に多様な表現を持つマンガの文化が花開いた後で、一部の人が「マンガが子供の退廃を生む」などと主張した流れから、各州でマンガの販売を規制する法律ができた歴史を紹介。その結果、米国で多くのマンガ家などが失業して、多彩な表現の作品がなくなったことに触れ、「規制が強まれば、産業が弱体化する」と指摘した。

 司会の中川譲・日本映画大准教授は、「マンガは楽しいだけでなく、人によっては不快な表現もある。だが、自分にとって『不快』であるからといって、つぶしていいのかを皆で考えてほしい」と話していた。

 ブラウンスタインさんは、13日に東京都文京区のシビックセンターで開かれる「マンガ文化の自由を考える国際シンポジウム」でも講演する予定。(毎日新聞デジタル)

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