潘ちゃん×潘さん交換日記:「ありがとう」に言い過ぎはない 潘めぐみ

1 / 5

 「HUNTER×HUNTER」のゴン役などで人気上昇中の声優・潘めぐみさんと、「機動戦士ガンダム」のララァ役などの声優としても知られる母親の潘恵子さんが、さまざまな思いや出来事を交換日記形式でつづります。今回は、“潘ちゃん”ことめぐみさんが、日ごろの感謝や、このほど起用された「プリキュア」について語ります。

ウナギノボリ

 皆さん、あけましておめでとうございます! 2013年に、ありがとうございました! 2014年に、よろしくお願いいたします!

 このコラムは今回で、年末の特別編を経て、第5回。2014年、初めての更新ということで、いつものあいさつではなく、新年のごあいさつから書き始めてみました。

 前回の「潘さん」の記事にもありましたが、双子座×巳年である私にとって、2013年は12年に1度の大幸運期でした。

 年末に向けて幸運のクライマックス続き。12月27日には「劇場版 HUNTER×HUNTER−The LAST MISSION−」の公開、31日には「熱風海陸ブシロード」の放送。潘ちゃん×潘さんの年末年始はこの2作品を見て過ごしました。

 13年の大みそかには、「潘さん」こと母と一緒に、家の大そうじをして、近所のレストランで年越しスパゲティを食べた後、「熱風海陸ブシロード」を見るべく帰宅。放送が始まり、Twitterのタイムラインをながめていると、ハッシュタグによってみられるたくさんの視聴者の方々の、ものすごい連帯感に、終始、圧倒されておりました。

 大みそかという、その年一年の締めくくり。その貴重な時間をいただいているのだと思うのと同時に、その貴重な時間にたずさわらせていただいたのだと思うと、とてもありがたい気持ちになります。

 本当にありがたいです。本当にありがとうございます。

 そうして迎えた、14年の元日。大みそか同様、「潘さん」こと母と共に過ごしました。まずは氏神様のもとに初詣に行き、TSUTAYAでお正月に見るDVDを借りて、それから映画館へ「劇場版 HUNTER×HUNTER−The LAST MISSION−」を見に行きました。

あ、そうそう「三が日の行いは、その年に繰り返す」と言われているそうですよ。なので、これからも作品が続いていきますように、そしてまた皆さんに会えますように、そう「念」掛けをするために、いざ「The LAST MISSION」へ。

 そうして向かった劇場には、年明け、元日にも関わらず、たくさんのお客さんが。上映が始まる前、もうその時点で目頭が熱くなっているのを感じました。

 今回、年末年始に「劇場版 HUNTER×HUNTER−The LAST MISSION−」を劇場に見に行って、「熱風海陸ブシロード」のタイムラインをながめていて、目の当たりにしましたことがあります。

 それは、作品が時を超えたということ。

 原作や企画など、その作品が始まった当初は、まだ生まれていなかった子どもたちが、劇場で、テレビの前で見ている。ということは、その作品で青春時代を過ごしてきた人たちが父や母となって、我が子と一緒に同じ作品を見ている。とても感慨深い気持ちになるとともに、思わずにはいられないのは、やはり感謝の気持ち。

 本当にありがたいことです。本当にありがとうございます。

 簡潔な言葉ではありますが、この感謝の言葉の中に、すべてを集約してみます。

 普段から伝えたいことがたくさんあって、そのすべてを伝えるために、どんなに言葉を並べてみても、結局、伝えたいことは「おめでとう」だったり、「ありがとう」だったり、「よろしく」だったり、実は簡単な一言に思いが詰まっているのかなと思うのですが、そうなると「ありがとう」という言葉を言い過ぎてしまっているのでは、という心配もあります。

 しかし、そこは「ありがとう」に言い過ぎはないのだと、ポジティブシンキング。どんなに感謝を伝えても、伝え切れないくらい、日々、皆さんに感謝をしているので、これからも「心」より感謝の「念」を込めて伝えていきます。「ありがとう」を。

 「劇場版 HUNTER×HUNTER−The LAST MISSION−」も「熱風海陸ブシロード」も、どんな作品においてもそう。作品を皆さんにお届けするまでに、自分がたずさわることのできる過程は、大きく分けて収録とプロモーション活動という、この二つ。作り手の皆さんのことを思うと、私のたずさわれた時間は、ごくわずかだと思うのです。

 それからというもの、テレビでの放送でも、映画館での上映でもエンドロールまで、その作品が本当に終わるまで、しっかり見届けたいと、より思うようになりました。エンドロールを見ながら、一つの作品を作るために、どれだけの人々が参加されているのか見ることができる。そこに感動させられると共に、感謝の気持ちでいっぱいになります。

 このコラムの最初の時に「作品にたずさわらせていただくことは、誰かの人生に関わらせていただくこと」「コラムを書くことで、読んでくださる方の時間をいただくということ」と書かせていただいたのですが、同じく、作品にたずさわらせていただくことは、一つの作品を作るためにたずさわられた方々の人生の時間に関わらせていただいているんだと。

 本当にありがたいこと。本当にありがとうございます。

 そうして、たくさんの人の、たくさんの時間をいただいている中で、収録を終え、プロモーション活動を経て、皆さんのもとにお届けした後、私にできることは一体なにか、考えてみます。

 それは、これからも皆さんの時間にたずさわれるように、その作品を応援し、盛り上げていくこと。たとえ、作品が終わってしまっても、誰かの記憶の中で続いていけばいいなと思うのです。それによって、また同じ作品で、そのキャラクターとして、皆さんにお会いすることができるかもしれないと。長年にわたって続いている作品も、今リバイバルしている作品も、きっとそうなのだと思います。

 そして、現に今、たずさわらせていただいた作品の中で、再び皆さんの前にお目にかかれる日が来るであろう作品が、いくつかあるのですが、そのことについては、また後日、お話しすることにしましょう。

 さて、今現在、たずさわらせていただいている作品も、クライマックスに向けて、佳境の段階に突入しています。

 それは「遊戯王ZEXAL2」と「ジュエルペット ハッピネス」。この2作品も長年続いてきたシリーズの作品。

 遊戯王は、18年前に原作がはじまり、マンガを読んではテレビを見て、カードを集めては友達とトレードをして、決闘(デュエル)してきた世代。ジュエルペットは、周りの子どもたちに教えてもらって、一緒にサンリオピューロランドに会いに行っては遊んできた存在。

 どちらも、この仕事を始めるよりも前に出合った作品。その思い出が色あせず自分の中にあるように、皆さんの記憶の中にあり続けることができるよう、誠心誠意、頑張ってまいりますので、最後まで見届けていただければ幸いです。

 あ、そういえば、この二つの作品も、続編が決まった作品も、12年に1度の大幸運期にオーディションを受けた作品だったね、お母さん。そんな幸運に輪をかけるようにして決まった作品があるのです。

 それが「ハピネスチャージプリキュア!」。今年で10周年になるプリキュアシリーズにたずさわらせていただけることの幸せ。

 プリキュアになるためには、オーディションを受けなければなりません。しかし、そのオーディションを受けることができたのは、今回が初めてでした。「潘さん」も前回の記事でオーディションについてお話しされていましたが、声優という職業を希望する人たちが多い中、競争率の高い世界です。

 だからこそ、オーディションを受けさせていただけるだけでも、本当に幸せなことなのです。そんなありがたみを感じながら、いつもオーディションを「受ける」にも「受けさせていただく」、役を「演じる」にも「演じさせていただく」という意識があります。

 それは、今回こうしてキュアプリンセスである白雪ひめ役を演じさせていただくことができるのも、これまでに出会えた全ての方々や全ての物事のおかげだと感じているからです。

 もちろん、作品を見てくださっている方々も、コラムを読んでくださっている方々も、その一人。作品もコラムも、すべてにおいて見てくださる方がいるからこそ、成り立つことができるのだと思います。だから、みなさんにお会いできるのも、日ごろから支えてくださっているみなさんのおかげ。

 本当にありがたいこと。本当にありがとうございます。

 この仕事を始めてから、まだ2年ですが、今まで生きてきた24年間で学んできました。「大変」なときこそ、大きく変わ(れ)るときであると。「無意味」という言葉にも意味があるように、すべてのことに意味があると。

 生まれてこのかた、チャージしてきたハピネスを、白雪ひめ、キュアプリンセスとして、皆さんのもとにお届けしていきたいと思いますので、2月2日から放送される「ハピネスチャージプリキュア!」(毎週日曜日午前8時半、ABC・テレビ朝日系)をどうぞよろしくお願いいたします。

 わ! 放送開始まで、あと1カ月を切っているのですね。いま書きながら気づきました。時間の経過って、年々、早く感じます。しかし、「楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう」という言葉のように、本当に毎日が楽しいからこそ、充実しているからこそなのだと思います。

 それって幸せ! ハピネス注入! 幸せチャージ! ハピネスチャージプリキュア!

 さてさて、感謝の気持ちをぎゅぎゅっと詰め込んでおります、今回のコラム。その感謝の気持ちを、皆さんに直接、伝えることのできる場というのが、イベントだったりするわけです。ずっと目標にしていることの一つが「より多くの地に、よりたくさんの方々に会いにいくこと」なのですが、年々、イベントの出演回数が増えてきていて。そのイベントの多くは、関東圏で行われるイベントだったので、地方のみなさんにはお越しいただくことが、ほとんどだったのですが、中には、県境を越えて、海を越えて、多くの地で、たくさんの方々に会いにいくことをかなえてくれるイベントもありました。それもこれも、みなさんのおかげなのです。

 本当にありがたいです。本当にありがとうございます。

 おかげさまで、本年も直接お会いできる機会が増えそうです。今年初めて、みなさんに直接お会いできる機会は、2月23日に行われるピザーラとハンター×ハンター コラボキャンペーンのトークショーになります。「劇場版 HUNTER×HUNTER−The LAST MISSION−」ヒット御礼イベントの一つ。まさに、皆さんに直接、感謝の気持ちを伝えられる日。まだまだ応募期間も終わってはいませんよ! 1月19日までの期間に、ピザを頼まれた方にチャンスが! ご応募お待ちしております!

 というわけで、最後の最後で告知っぽいものもしてみましたが、よりたくさんの方々にお会いできる機会を、本当に楽しみにしているのです。それもやはり皆さんなしにはできないことで。この感謝の気持ちは、直接イベントで伝えさせてください!

 ふぅー。今回も伝えたいこと盛りだくさんお伝えしてきちゃいました。伝えたいことは、常にあって、実は、常に伝えていたりします。日常でも、仕事でも、いろんな物事を通して伝えています。その方法の一つが、このコラムです。

 しかし、伝えたいことのごくわずかしか表現することができず……。歯がゆさを感じつつ、だけど、わずかにも全力です。すべてにおいて全力です。

 なので、これからも生温かく見守っていただけたらと思います。そして、本年も「潘ちゃん×潘さんの交換日記」をよろしくお願いいたします。

 ◇プロフィル

 潘めぐみ(はん・めぐみ)=1989年、東京都生まれ。2008年に映画「櫻の園」の一般公募オーディションに合格し女優デビュー。ドラマ「オトメン−乙男−」のほか舞台などにも出演。11年に、100人を超えるオーディションをへて、アニメ「HUNTER×HUNTER」の主人公・ゴン役に抜てきされた。アニメ「ジュエルペット ハッピネス」の月影ちあり役、ゲーム「The Last of Us」のエリー役などを好演し注目を集めている。

写真を見る全 5 枚

アニメ 最新記事

MAiDiGiTV 動画