幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中の日本最大のゲーム展示会「東京ゲームショウ2014」で、iOS、Android向けのゲームの出展タイトル数が500本を超え昨年の2倍以上になった。「iPhone 6/6 Plus」の発売も話題になる中、出展社は「今はユーザーの時間の取り合いになっている」と口をそろえる。スマホの高性能化に伴う開発費の高騰もささやかれる中、関係者に展望を聞いた。
ウナギノボリ
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3年前の2011年は、ソーシャルゲーム会社のグリーがゲームショウに初出展したことが大きなニュースになったが、今ではスマートフォン、タブレット向けゲームの展示は当たり前の風景になっている。そんな中で話題になるのが、今回のiPhone6をはじめ、新しいスマホの性能だ。
ユーザーにとっても、高解像度のグラフィックを使ったゲームが当たり前になってきているため、開発費も高くなっているのが現状だ。各社とも、コストの削減とクオリティーの維持という相反する要素のバランスを取ることを余儀なくされている。
また既存のヒット作との対決も厳しいハードルの一つだ。「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)や「モンスターストライク(モンスト)」(ミクシィ)などの人気タイトルを気長にプレーしているユーザーも多いため、各社とも新作をどんどん発表するものの、大半のタイトルの反応はいまいち。あるゲーム会社の関係者は「ユーザーは、同時に多数のゲームをプレーするわけではないので、なかなか興味を示してくれないことがある」とこぼす。
そんな中、ゲームのリッチコンテンツ化からは距離を置くメーカーも出ている。コストを抑えたシンプルなゲームを大量に開発して当たりを探すという「数撃ちゃ当たる」式のほか、日本や欧米のコアなゲームファン向けに、クオリティーの高いゲームを開発しつつ、新興国向けにシンプルなゲームを投入している「ハイブリッド」式を採用しているメーカーもあるようだ。
今年のゲームショウでは、DeNAやグリーといった大手以外に、今回が初出展という小さな会社もひしめき合っているのが特徴的だ。ゲーム以外にも「グノシー」「スマートニュース」といったニュースキュレーションアプリなどの「時間を取り合う」ライバルも出てきており、年を追うごとに厳しい状況におかれているのは間違いないが、「伸びているところは伸びている。チャンスはまだまだある」という威勢のいい声もちらほら耳にした。世界的な大ヒットを果たし、ゲーム機にも移植された「マインクラフト」に代表される少人数で開発されるインディーゲームにも注目が集まるなど、不透明な状況は当分続きそうだが、優勝劣敗の格差だけはますます広がっていきそうだ。
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