クリント・イーストウッドさんがメガホンをとり、1960年に結成された4人組ポップグループ「ザ・フォー・シーズンズ」の誕生から栄光、挫折、そして再生までを描いた映画「ジャージー・ボーイズ」が27日から全国で公開される。米トニー賞のミュージカル部門で最優秀作品賞はじめ4部門に輝いた舞台が原案。イーストウッド監督がミュージカルを映画化するとは意外だが、「ミリオンダラー・ベイビー」(2004年)や「硫黄島からの手紙」(06年)、「グラン・トリノ」(08年)といった人々の記憶に残る作品を生み出してきた名監督が、そつなく仕上げていてさすがだ。
ウナギノボリ
インタビュー:筧美和子 30歳、原点のグラビアに立ち返った
1951年、米ニュージャージー州にあるイタリア移民が集まる街で理髪店の見習いとして働く16歳のフランキー(ジョン・ロイド・ヤングさん)は、天性の歌声の持ち主だ。ある時から彼は、知人のトミー(ビンセント・ピアッツァさん)とニック(マイケル・ロメンダさん)に誘われ、彼らのバンドで歌うようになる。そこに天才肌の作曲家ボブ(エリック・バーゲンさん)が加わり、4人は「ザ・フォー・シーズンズ」として活動を開始する……というストーリー。
まず意表を突かれたのは、ザ・フォー・シーズンズのメンバー一人一人が観客に向かって語り掛け、自身の心情を吐露するという演出。ラストに全キャラクターが再登場し、歌い、ステップを踏むというフィナーレも、イーストウッド監督らしくないと思う半面、監督のブロードウエーの舞台版への敬意を感じ、感銘を受けた。今作の魅力は「シェリー」や「君の瞳に恋してる」といった名曲が全編を彩り、それらが誕生する瞬間に立ち会える喜びを味わえること。とりわけ、「君の瞳に恋してる」の誕生秘話には驚かされ、明るい旋律のこの曲への印象が見終わったあと随分変わった。フランキー役を、トニー賞で最優秀主演男優賞に輝いたヤングさんが務めるなど、キャストの多くはブロードウエー版に出演した俳優が務めている。イーストウッドさんにとって、「J・エドガー」(11年)以来3年ぶり33本目の監督作。今作もまた、イーストウッド作品の中で忘れがたい佳作となった。27日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
人気デュオ「KinKi Kids」の堂本剛さんが、今年10月公開の映画「まる」で主演を務めることが分かった。堂本さんは1997年公開の「金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」以来、約…
アイドルグループ「乃木坂46」の元メンバーの高山一実さんと西野七瀬さんが、高山さんの小説家デビュー作が原作の劇場版アニメ「トラペジウム」(篠原正寛監督、5月10日公開)に声優とし…
中村光さんのギャグマンガ「聖(セイント)☆おにいさん」が実写映画化され、「聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~」のタイトルで12月20日から全国公開され…
5月7日に発表された3~5日の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)によると、人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版最新作となる第27作「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちし…
北条司さんの人気マンガを俳優の鈴木亮平さん主演で実写化したNetflix映画「シティーハンター」に出演する冴羽リョウ役の鈴木さんとヒロイン・槇村香役の森田望智さんによる対談映像が…