注目映画紹介:「ミリオンダラー・アーム」 実話を基にしたインド初のメジャーリーガー発掘物語

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 インド初のメジャーリーガーを発掘したスポーツエージェントのJB・バーンスタインさんの実話を基に映画化した「ミリオンダラー・アーム」(クレイグ・ギレスピー監督)が4日に公開される。映画は、崖っぷちのスポーツエージェントが、インドで「ミリオンダラー・アーム(100万ドルの剛腕)」の原石ともいえる投手を発掘し、メジャーリーグのマウンドでデビューさせるまでを描いている。男たちの心情を中心に、二転三転しながらも進んでいく爽快なサクセスストーリーだ。

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 スポーツエージェントのバーンスタイン(ジョン・ハムさん)は、アメフットの超有望選手を獲得寸前にライバル企業に横取りされるなど、すべての契約を失う。ある夜、バーンスタインは、野球の未開の地インドで豪速球投手を発掘し、同国初のメジャーリーガーを誕生させる計画を思いつく。インドに渡り、地方テレビ局と組んで「ミリオンダラー・アーム(100万ドルの剛腕)」という番組を企画。集まった若者の中から、リンク・シン(スラージ・シャルマさん)とディネシュ・パテル(マドゥル・ミッタルさん)が選出され、バーンスタインは2人を米国に連れて行くが……という展開。

 実話を基にした映画と聞き、感動物語の期待値がいやが応にも高まるが、今作は予想以上に驚きと感動を与えてくれる。インド人のメジャーリーガーがいることにもびっくりしたが、その発掘の仕方も奇想天外で、本当にこれが実話なのかと疑ってしまう。“事実は小説よりも奇なり”を地でいくような展開からは、1秒たりとも目が離せない。野球が題材とはなっているが、スポーツ界の内幕を描くというよりは、心情をじっくりと描いた深い人間ドラマに仕上がっており、野球を知らなくても存分に楽しめる。楽曲についてもインドテイストと米国の最新ポップスの要素が融合し、場面ごとにマッチした楽曲が感情をかき立てる。エンディングに流れる実物の映像とコメントにはグッとさせられる。TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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