PKD酒場:ディックがテーマのバーが早川書房に 「二つで十分」な焼きうどん

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 映画「ブレードランナー」「トータル・リコール」などの原作で知られる米SF作家のフィリップ・K・ディックの作品をイメージした料理を提供するバー「PKD酒場」が早川書房(東京都千代田区)の1階にオープンした。トマトにミートボールをあえ“火星風”にした「火星のミートボール」(700円)、「ブレードランナー」でハリソン・フォードさん演じる主人公、リック・デッカードがうどんを四つ注文すると、店主が「二つで十分ですよ」と言い返すことに由来し、2皿に分けて提供される「PKD風焼うどん」(700円)などのメニューが用意されている。12月26日まで。

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 PKD酒場は、早川書房の1階にある「カフェクリスティ」を改装し、店内には「ブレードランナー」「マイノリティリポート」など映画化作品のポスターや原書のカバーなどが飾られている。「高い城の腸詰め」(1100円)や「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 パン」(300円)などディックの作品にちなんだ料理や「流れよ我が涙、と警官は言った(ブルー・ラグーン)」(700円)など作品をイメージしたカクテルも提供している。人間とアンドロイドを見分ける「フォークト・カンプフ測定法」のペーパーテストも楽しめる。

 早川書房が“コラボ酒場”を展開するのは、今春の「バー・ロング・グッドバイ」、今夏の「パブ・シャーロック・ホームズ」に続き3度目で、「PKD酒場」は約1カ月半で約2000人の来店を見込んでいる。早川書房の担当者は「本が売れない時代の中で、ファンを大切にしていきたい。本とは別に作品の楽しみ方を提案して、同じ趣味の人と出会うきっかけにもなってほしい」と話している。

 ディックは、「ブレードランナー」というタイトルで映画化された「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」や「高い城の男」「流れよ我が涙、と警官は言った」「ヴァリス」などで知られるSF作家で、1982年に亡くなった。早川書房によると、テレビアニメ「PSYCHO−PASS サイコパス」の劇中で、人気キャラクター・槙島聖護が愛読書として「アンドロイド~」を挙げたことから、若い女性ファンも増えているという。

 営業時間は平日が午後5~10時、土曜が午前11時~午後4時で、日曜は休業。

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