女優でモデルの佐々木希さんが主演する映画「さいはてにて やさしい香りと待ちながら」(チアン・ショウチョン監督)が、28日に公開される。映画は永作博美さんと佐々木さんのダブル主演で、佐々木さんは日々の生活や子育てで葛藤するシングルマザーという役どころを演じている。「今回の役は私にとって大きな挑戦だった」と語る役作りや共演の永作さんについて話を聞いた。
ウナギノボリ
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映画は、幼い頃に別れた父との思い出の場所である故郷の奥能登に帰り、コーヒー店を開いた岬(永作さん)と、2人の子供を育てるシングルマザーの絵里子(佐々木さん)が寄り添いながら生きていく姿を描いている。
今回演じた絵里子について、佐々木さんは「とても不器用な人。日々の生活に追われて男性に逃げてしまったり、弱さを隠すために強がっていたり。現実にきちんと向き合えていない。こういう役柄は初めてだったので、全体的に演じるのは難しかったです」と語り、「大きな挑戦だった」という。
そのため、役作りでは「何が正解か分からない状態でしたが、とにかく監督の言うことを全部できるように頑張ろうと思いながら演じました」といい、「撮影に入る前に監督とお話しする機会があったんですが、自分が思っている絵里子像や彼女の心境、監督から聞いた細かい設定をノートにたくさん書き出して、役柄を作っていきました」と苦労を明かす。
しかし、「そのノートを撮影中に見直したりして、(頭の中が)パンクするときもありました」と苦笑い。「私も絵里子と同じで不器用人間なので、いろいろなことをやろうとしても無理で。ぜんぶ頭の中に入れていったら、パンクしてしまいました」と語る。
その窮地を救ってくれたのが、「憧れの人」とも語る大先輩の永作さんだった。「『自分が思うことを一つだけに絞って、あとのことは考えないでやってみたら』というようなアドバイスをいただいて。今まで悩んでいたことがスッとなくなりました」と感謝する。
劇中でも、ささくれ立っていた絵里子が永作さん演じる岬に導かれ、本来の朗らかさを取り戻していく。「演技する上でも永作さんに救われました」と語り、「後輩の私が言うのも失礼ですが、お芝居も素晴らしいですし、撮影現場でも周りの方につねに気配りをされて。芯があるんですけど、器も大きくて柔らかい方。まさに理想の人」と尊敬の思いを口にする。
絵里子という難役に挑戦したことで、女優として大きく成長したという佐々木さん。女優業について「本当に苦手で、一番悔しくて、一番嫌だなと思っていた仕事。でも、だからこそ頑張ろうって思います。悩むことも多いけど、女優業は今、楽しい」と笑顔で話し、「大人になってこんなに勉強したり、打ち込むことがなかったので、台本を読みながらふせんを張ったりしているときも楽しいですね」と充実感をにじませた。
次回は、オフタイムについて聞く。
<プロフィル>
ささき・のぞみ。1988年2月8日生まれ、秋田県出身。2006年に雑誌「PINKY」(集英社)の「プリンセスPINKYオーディション」でグランプリを受賞し、芸能界デビュー。モデル業を中心に活躍するかたわら、09年に「天使の恋」で映画初主演を果たす。以降、女優としても活動の場を広げ、映画出演作に「ハンサム★スーツ」(08年)、「ぱいかじ南海作戦」(12年)、「サンゴレンジャー」(13年)、「呪怨−終わりの始まり−」(14年)など。今後、16年に主演映画「縁~THE BRIDE OF IZUMO~」の公開を控えているほか、3月6日にスペシャルドラマ「結婚に一番近くて遠い女」(日本テレビ系)、4月12日から連続ドラマ「スケープゴート」(WOWOW)が放送される。
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