マンガに精通する書店員らがその年で一番面白いマンガを選ぶ「マンガ大賞2015」(同実行委員会主催)の授賞式が24日に東京都内で開かれ、東村アキコさんの「かくかくしかじか」が大賞に選ばれた。着物姿の正装で登場した東村さんは「気になる賞なので、毎年そわそわしながら見ていた。もらえるとは思っていなかった」と喜んでいた。
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「かくかくしかじか」は、実写映画やテレビアニメにもなった「海月姫」や、ドラマ化された「主に泣いてます」などで人気の東村さんのエッセーマンガ。故郷・宮崎でマンガ家になることを夢見ていた少女・明子が恩師・日高先生の美術教室に通いながら腕を磨いて美術大学に進学し、実際にマンガ家になるまでの道のりと、恩師への思いをつづった自身の半生を題材にしている。月刊マンガ誌「Cocohana(ココハナ)」(集英社)創刊の12年1月号に連載を開始、15年3月号まで連載していた。
会見では、ハワイに行った帰りに日高先生を題材にしたマンガの執筆を勧められ、最初は反発したものの、「マンガ家になったのは、あの教室での数年間がベースになっている。避けられないし、自分の傷をえぐる行為だけど、やるしかない」と執筆を決意した経緯を明かしながら、「最終回は私も、アシスタントも泣きながら仕上げた。実体験とのシンクロ率99%」と話していた。
マンガ大賞は、マンガに詳しいニッポン放送の吉田尚記アナウンサーと業界の目利きの書店員らを中心に08年に創設された。過去の大賞作を除く、昨年(14年1月1日~同年12月31日)にコミックスが出版された通巻8巻以内のマンガが対象となる。92人の選考員が推薦した作品の中から上位14作品を選び出し、95人がすべてを読んで投票。1位を3ポイント、2位を2ポイント、3位を1ポイントで採点した。
過去の大賞受賞作は、受賞後に販売部数が急増したり、映像化されたりする傾向があり、出版社の間では“最も欲しい賞”とされている。13年に受賞した吉田秋生さんの「海街diary」(小学館)は女優の綾瀬はるかさん、長澤まさみさん、夏帆さん、広瀬すずさん出演で映画され今年6月に公開予定。また10年に受賞したヤマザキマリさんの「テルマエ・ロマエ」(KADOKAWA)は受賞直後から販売部数が急増し、1巻あたりで100万部を超えるヒット作となった。
「かくかくしかじか」東村アキコ(80)▼「子供はわかってあげない」田島列島(66)▼「聲の形」大今良時(65)▼「僕だけがいない街」 三部けい(57)▼「BLUE GIANT」石塚真一(49)▼「ボールルームへようこそ」竹内友(40)▼「イノサン」坂本眞一(38)▼「僕のヒーローアカデミア」堀越耕平(36)▼「王様達のヴァイキング」さだやす、(ストーリー協力)深見真(35)▼「累」松浦だるま(30)▼「月刊少女野崎くん」椿いづみ(28)▼「魔法使いの嫁」ヤマザキコレ(20)▼「宝石の国」市川春子(18)▼「ドミトリーともきんす」高野文子(8)
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