Gacharic Spin:変わり種6人組ガールズバンド初の渋公ワンマン 笑いあり涙ありで2000人を魅了

渋谷公会堂でツアーファイナル公演を行ったGacharic Spin
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渋谷公会堂でツアーファイナル公演を行ったGacharic Spin

 プレーヤー4人+ダンサー2人からなる6人組ガールズバンドの「Gacharic Spin(ガチャリックスピン)」が、3日に全国ツアーのファイナルステージを渋谷公会堂(東京都渋谷区)で開催した。渋公でのワンマンライブはグループ初で、今の6人の全力を、笑いを交えながら観客に見せつけるようなステージを披露。秋にアルバム発売とワンマンツアー開催といううれしい報告をした一方で、公約だった渋公ソールドアウトが達成できなかった悔しさで涙をにじませる場面もあり、悲喜こもごもの一夜となった。

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 各メンバーのイメージカラーのサイリウムを手にした約2000人のファンが、掛け声をかけ、タオルを回すなど、大盛り上がりとなったライブ。ステージには炎や煙が噴き上がり、バルーンが会場内を跳ね回るなど多彩な演出で観客を魅了した。また、「赤裸ライアー」のミュージックビデオに出演した、プロレスラーのザ・グレート・カブキさんがゲストで登場したほか、カメラを搭載したドローンが飛び回り、リアルタイム映像がビジョンに映し出される演出などもあり、約3時間に及ぶステージは大盛り上がりだった。

 圧倒的な演奏力で聴かせる曲もあれば、アイドルっぽいポップナンバー、さらに笑いもありという幅広い音楽性を発揮した6人。ボーカル&ドラムのはなさんは、激しく歌いながら雷神のごとくドラムをたたきまくり、「僕だけのシンデレラ」では、ギタープレーも披露してマルチぶりを発揮。ギターのTOMO‐ZOさんは、宇宙人キャラを披露して笑いを巻き起こしながら、男性プレーヤー顔負けのテクニックで華麗なギター演奏を見せつけた。ボーカル&キーボードのオレオレオナさんは、「GS★PLANET」などの曲ではセンターでダンスしながらボーカルを務め、ショルダーキーボードを回したりキーボードにまたがるなどの激しい演奏で活躍。アコースティックコーナーでは弾き語りで妄想恋愛を語り、最後に金だらいが落ちるというコント的なベタな笑いを巻き起こした。

 パフォーマー1号まいさんと2号ありささんからなるガチャガチャダンサーズは、頭を振りながら休む暇なく全力でダンス。「溶けないCANDY」ではメインボーカルを務め、可愛らしい振り付けと歌でアイドル性を発揮した。そして、巧みなベースプレーで終始観客を圧倒したリーダーのFチョッパーKOGAさんは、「インディーズの頃は、(客席が埋まらず)床ばかり見ていた。でも今は、こんなにたくさん集まってくれました。みんなのお陰です。ありがとうございます」と支えてくれたファンやスタッフへの感謝の言葉を口にした。

 この日はメジャーデビューシングルの「赤裸ライアー」をはじめ、アニメ「ドラゴンボール改」エンディングテーマとして好評の新曲「Don’t Let Me Down」と、同じく新曲の「夢喰いザメ」など全24曲を披露。「Don’t Let Me Down」は、日高央さん(STARBEMS、元BEAT CRUSADERS)が書き下ろした楽曲で、6月3日に2枚目のシングルとしてリリース予定で、いつになくポップな曲調にファンもジャンプして盛り上がり、新たな可能性を感じさせた。さらに8月には米サンフランシスコで行われる「J-POP SUMMIT」に出演することが決定している。

 秋にアルバムをリリースすること、それに伴うワンマンツアーを開催するという、うれしい発表もあった一方で、公言していた「渋公チケットソールドアウト」がかなわなかったことについて、「あとちょっとだった。ごめんなさい」と、悔しさに涙したFチョッパーKOGAさん。ファンの声援が鳴り響く中、「足りないものがあることが、きっと次につながる。課題を克服して、次は絶対にソールドアウトする!」とファンとともにリベンジを誓った。

 (取材・文/榑林史章)

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