アニメ質問状:「宇宙よりも遠い場所」 一見してシンプルであること 感情がストレートに伝わるように

テレビアニメ「宇宙よりも遠い場所」の一場面(C)YORIMOI PARTNERS
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テレビアニメ「宇宙よりも遠い場所」の一場面(C)YORIMOI PARTNERS

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、南極を目指す少女たちの青春を描くオリジナルアニメ「宇宙よりも遠い場所」です。KADOKAWA映像事業局 アニメ企画部アニメ第二企画課の田中翔プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 --作品の概要と魅力は?

 本作は女子高生が南極へ行く物語です。特別な能力があるわけでも、運命に選ばれたわけでもない、いたって普通の女子高生が「南極へ行って帰ってくる」そんなお話です。そんな等身大のストーリーが、本作の最大の魅力だと思っています。そしてもう一つ大きな魅力があるとすれば、それは好奇心です。目を閉じて想像してみてください。明日、南極を目指して旅に出ることになったとしたら。少しだけ胸が高鳴りませんか。その高鳴りは次第に大きくなり、やがて止められないほど大きく胸を打つと思います。彼女たちと共に日常からほんの少しずれた非日常を楽しんでいただけたら幸いです。

 --アニメにするときに心がけたことは?

 原作もの、オリジナル問わず、自分はクリエーティブにあまり口を出しません。もちろん例外も存在しますが、クリエーターでもないただのおっさんが、あれやこれやと偉そうに意見したところで、クオリティーが下がることはあっても、上がることはないからです。

 今回、オリジナルアニメということもあり、唯一口うるさく言い続けたことがあるとすれば、それは「分かりやすさ」です。とにかく一見してシンプルであることにはこだわりました。単純明快かつ感情がストレートに伝わるお話であること。それがスタートであり、同時にゴールでもありました。全ては彼女たちと共に旅をしてもらうため。彼女たちが旅の果てに何を思うのか、その思いがユーザーの皆さんと重なってくれたら、それ以上にうれしいことはありません。

 --作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 いしづか(あつこ)監督、脚本の花田(十輝)さん、制作Pの中本(健二)さん、そしてマッドハウスの皆さまとは「ノーゲーム・ノーライフ」で、初めて一緒にお仕事をさせていただきました。本当に素晴らしい才能を持つ方々と出会えたことを心から感謝しつつ、このメンバーでもう一度……という願いがかなったのが本作となります。まだ、物語は始まったばかりですが、もうすでに感無量なところがあるので、カブトの緒を締め直して、本作を盛り上げていきたいと思います。

 ちなみに、南極へ行くお話になるまで、実はさまざまな寄り道がありました。SFものだったこともあれば、タイムリープものだったこともあったりと、本当にいろいろな試行錯誤の中で生み出されたのが「宇宙よりも遠い場所」です。積み上げてきたものであっても、時には真っ白にする勇気が大切なんだと学びました(笑い)。

 --今後の見どころを教えてください。

 ちょうどメインキャラクターが出そろって、南極へと向かう準備が着々と整い始めている頃かと思います。紆余(うよ)曲折はありながらも順調に南極へと近づいている4人を襲うアクシデントとは!? というわけで、ペンギン饅頭号に乗って大海原へと旅立つ彼女たちを、ドキドキハラハラしながら一緒に見守っていただけるとありがたいです。

 --ファンへ一言お願いします。

 何度も客観的に作品を見返していますが、ひいき目抜きで、とても面白い作品に仕上がっていると思っています。キャラクターも可愛く、気がついたら日向推しになっていたほどです。既にご覧になっている方は最後まで、まだご覧になったのことのない方は、これを機会にぜひ。ご覧になった方々が、長い人生の中で時々ふと思い出すアニメを目指して、最後まで走りきろうと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

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