マンガに精通する書店員らが「その年一番の面白いマンガ」を選ぶ「マンガ大賞2018」(実行委員会主催)の授賞式が22日、ニッポン放送本社ビル(東京都千代田区)で開かれ、板垣巴留さんがマンガ誌「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載中の「BEASTARS(ビースターズ)」が大賞に選ばれた。会見での板垣さんの主な一問一答は次の通り。
ウナギノボリ
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――受賞の感想は。
すごく変なマンガなので、皆さんに受け入れてもらって驚きです。
――デビュー作ですが、デビューはいつ? マンガ家を目指したのはいつごろか。
デビューしてから2年ですね。本格的に目指したのは大学4年生から。美大で映画の勉強をしていましたが、映画を作るのは大変だなと。(映画に)近いものを紙とペンで作れるなら。絵を描くのは好きだったので。
――動物が擬人化する独特の世界観。動物は好き?
この世界は、小さいころから考えていた。だから(アイデアが)出やすいのはあるかも。動物は好きですね。動物の番組があると目を奪われてしまいます。
――作品はまだ続きますよね?
しばらくは。週刊連載は1話1話面白くすることに必死なので、先のことは見えてないんです。
――マンガ大賞は、板垣さんにとってどんな賞か。
実はノミネートされて、初めてマンガ大賞の存在を知りました。今日会場に来て、(取材の)カメラがたくさんあること、バタバタしているのを見て、驚いている状態です。
――改めてになるが、大賞を受賞して今、思うことは。
ネガティブなことになってしまうが、マンガをこれから(より)面白くしなきゃいけないので、今後の自分が心配です。
――受賞作の魅力は。
皆が一生懸命生きている作品で、誰かしらに情が湧くと思う。そして言っておきたいのが、コミックス1巻は絵が雑なので、2巻まで読んでください。
――ディズニー好きと聞いているが。
動物が服を着て、二足歩行をしていることが難なく受け入れられるのはディズニーさんのお陰。助けられていると思っています。ただ、ディズニー作品で表現していけないこと(暴力など)を描いているマンガなので、ディズニー作品を見ている人が受け入れてくれるかと言えば、違うと思います。
――生々しい描写があり、暴力表現もある。狙いは?
人間の世界でも外国人同士のカップルなどが存在する。“障害”を乗り越えた恋愛に興味があるので、せっかくなら異種族同士の恋愛に踏み込みたいと思って描きました。暴力は単に好きなのでしょうね。
――少女マンガの雰囲気を感じる。
私も女なので、少女マンガを見て育ちました。キャラ一人一人に入り込んで、恥ずかしいモノローグがありますが、少女マンガの遺伝子なのかなと思います。「ちゃお」(小学館)を読んでいたので、「ミルモでポン!」など楽しい世界を見せてくれる少女マンガが好きでした。
――動物の擬人化といえば手塚治虫だが、影響はあるか。
お恥ずかしい話ですが、手塚先生のマンガは読んでいません。
――映画やアニメ化などの話はあるか。
「ビースターズ」は実写化は無理だなと思っていますので、考えられるのはアニメ化でしょうか。人間のような生々しいキャラが多いと自覚していますので、アニメにするなら(声優ではなく制作)スタッフさんの声を当ててもらってもいいかなと。声優さんたち(の演技)も素晴らしいですが、自然体でボソボソっとせりふをしゃべてもらればと思います。
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