MD松尾のゲームヒットランキング:19年3月は「SEKIRO」がトップ チョコボは予想以上の人気

 TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の松尾さんは、その経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている。ベテランバイヤーが毎月のTSUTAYAでのソフト販売ランキングを基に市場の動向を振り返る。

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 2019年の3月は、PS4を中心に意外と良かったという印象でしたが、ソフト、ハードともに昨年と比べると少し減少しました。昨年は「星のカービィ スターアライズ」(NS、任天堂)、「北斗が如く」(PS4、セガゲームス)などがヒットしましたが、今年はスイッチの大型タイトルが月末の「ヨッシークラフトワールド」(NS、任天堂)だけだったということが影響したか。さらに、昨年は「モンスターハンター:ワールド」(PS4、カプコン)の大ヒットでPS4本体が売れに売れて枯渇していたほどでしたが、今年はそういった大きい動きがなかったことで、ハードも今ひとつでした。

 さて、そんな19年3月のトップは、「SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE」(PS4、フロム・ソフトウェア)でした。発売日の売り上げも良かったですが、2週目も予想以上に売れている印象。発売日を過ぎても売れ行きが良く、ユーザーの評判もいいですね。ブランニュータイトルということもあって、初週は様子見のお客さんも多かったのでしょう。さすがに、同じメーカーの「ダークソウル」シリーズのナンバリングタイトルには及びませんでしたが、ダークソウルのファン層の一部が最初に購入し、ダークソウルのファン層全体に広がったとみています。「バイオハザード:Re2」(PS4、カプコン)、「デビルメイクライ5」(同)のユーザーも多く、アクションゲームのいい流れができていますね。

 「スーパーロボット大戦T」(PS4・NS、バンダイナムコエンターテインメント)は正直厳しかった。前作「スーパーロボット大戦X」(PS4・Vita)と比べて減少しています。PS4版は前作以上の売れ行きでキャッチアップできているのですが、前作のVita版と入れ替わりで登場した今回のスイッチ版が減少しています。シリーズを追うごとにPS4版の購入比が上がっていて、前作購入率もものすごく高いですね。一方、スイッチ版は、若干ですが昔のシリーズを買っている方もいるようです。

 「ディビジョン2」(PS4、ユービーアイソフト)は前作を大きく割りました。特に20代後半が抜けた印象で、大変珍しいことに、前作の購入者が少ないですね。前作のファンの方は、3日先に遊べる先行ダウンロード版にいっているのではないかと考えています。「ONE PIECE WORLD SEEKER」(PS4、バンダイナムコエンターテインメント)はほぼ目標通りでしたが、「ONE PIECE」のタイトルとしては、Vita版がなくなった分減少。Vita版は中高生のユーザーを取り込めていたので、ひょっとするとスイッチ版が出ていたら、状況が変わっていたかもしれません。

 「チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!」(PS4・NS、スクウェア・エニックス)は売り切れ。予想を大きく外してしまいました。購買層は「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」「キングダムハーツ」といったスクウェア・エニックスの人気RPGのファンが多かった印象で、ここ最近RPGが出ていなかったのが影響したのかもしれません。1月に発売された「キングダムハーツ3」の次のタイトルということなのでしょう。改めてRPGの底堅さを感じました。

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1位 SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE(PS4)
2位 スーパーロボット大戦T(PS4)
3位 ディビジョン2(PS4)
4位 ONE PIECE WORLD SEEKER(PS4)
5位 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(NS)
6位 スーパーロボット大戦T(NS)
7位 New スーパーマリオブラザーズ U デラックス(NS)
8位 ヨッシークラフトワールド(NS)
9位 Minecraft(NS)
10位 チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!(PS4)
11位 チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!(NS)
12位 DEAD OR ALIVE6(PS4)
13位 マリオカート8 デラックス(NS)
14位 Splatoon2(NS)
15位 Anthem(PS4)
16位 スーパー マリオパーティ(NS)
17位 JUMP FORCE(PS4)
18位 レフト アライヴ(PS4)
19位 JUDGE EYES:死神の遺言(PS4)
20位 毛糸のカービィ プラス(NS)

 ◇プロフィル

 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約550店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。1996年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。2002年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩んできた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。

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