女優の広瀬すずさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」は9月28日に最終回を迎える。ヒロイン・なつ(広瀬さん)の物語も残りわずかとなったが、ここでは劇中で産み落とされた数々のアニメーション作品を紹介する。今回は監督・坂場(中川大志さん)の長編デビュー作となったファンタジー「神をつかんだ少年クリフ」。坂場のこだわりが強すぎて、制作は遅々として進まず、興行的にも失敗したが……。
ウナギノボリ
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「神をつかんだ少年クリフ」は、演出を坂場、作画監督を下山(川島明さん)が担当。なつ(広瀬さん)は、神地(染谷将太さん)と共に原画を手掛け、堀内(田村健太郎さん)と茜(渡辺麻友さん)も動画として参加した。映画は1966年に公開されるも、興行的に失敗。坂場は同作を最後に東洋動画を去ることになる。
主人公は死神に立ち向かう少年クリフで、クリフと引かれ合う死神の娘キアラのキャラクターを巡って、制作は一時難航。締め切りが迫る中、坂場と折り合いが悪くなっていた仲(井浦新さん)が、なつにとあるキャラクターの絵が入ったカット袋を託すシーンもあったが、そこに描かれていたキアラの絵を、小田部羊一さんが手掛けていたことがのちに判明して話題になった。
小田部さんは東映動画(現・東映アニメーション)出身。「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」などのキャラクターデザイン・作画監督として知られ、「なつぞら」ではアニメーション時代考証を担当。小田部さんの起用は、元スタジオジブリで、「なつぞら」のアニメーション監修・舘野仁美さんの提案によるもの。制作統括の磯智明さんは「完成したキアラを見たときは、坂場のせりふではありませんが、『キアラがここにいる!』と感動しました」と明かしている。
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