仮面ライダー:“リバイス”前田拳太郎&“ギーツ”簡秀吉 “1号ライダー”対談 継承したい思いは

「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル」に出演する簡秀吉さん(右)と前田拳太郎さん
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「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル」に出演する簡秀吉さん(右)と前田拳太郎さん

 特撮ドラマ「仮面ライダーギーツ」(テレビ朝日系、日曜午前9時)と、2021~22年放送の「仮面ライダーリバイス」(同)の映画「仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル」(柴崎貴行監督)が、12月23日に公開された。「ギーツ」で主人公・浮世英寿(うきよ・えーす)/仮面ライダーギーツ役を演じている簡秀吉(かん・ひでよし)さんと、「リバイス」の主人公・五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ役の前田拳太郎さんという“1号ライダー”の先輩・後輩の2人に、互いの作品の印象や映画の見どころのほか、1号ライダーとして“継承”してほしい思いを聞いた。

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 お互いの作品について、前田さんは、「五十嵐一輝と浮世英寿は真逆なキャラクターだし、作風も『リバイス』は家族など身近な話で、『ギーツ』はゲームの世界の話」と話し、「対照的な2作品を組み合わせるとどうなるのかを楽しみにしていた。“化学反応”というか、面白いものができるなとやっていて思いました」と声を弾ませる。

 簡さんも「台本を読んでいくうちにワクワクして楽しみだなと思った。撮影現場では五十嵐一輝と芝居できていることに不思議な気持ちになったし、楽しかった。めちゃくちゃ面白い映画にはなっていると思う」と両作のコラボへの手応えを口にする。

 それぞれのビジュアルや戦い方などを見て感じることを聞くと、前田さんは、「ギーツの堂々とした戦いぶりは、僕と違う部分で大きいなと思う。リバイの必死に戦っている姿もいいなと思いますが、ギーツの余裕さはやっぱり見ていてカッコいい」といい、「僕も小さいときに仮面ライダーカブトが好きで、ちょっと近いものを感じる英寿は子供たちの憧れになるのかなって感じました」という。

 絶賛された簡さんも、「リバイもむちゃくちゃカッコいい。バイスと2人で力を合わせて戦っている姿とかもいい」と切り出し、「英寿は基本、戦いをちょっとなめている部分もあるので、リバイとバイスは必死に戦っている姿にすごく惹(ひ)かれました」と語るなど、互いに異なる部分が気になる様子だった。

 ◇引っ張らず「背中で見せる」座長に

 「仮面ライダーリバイス」の座長をやり遂げた前田さんは、もっとも大変だったことを、「撮影で1人になることが多く、みんなでいるときはお互い頑張ろうみたいな感じでできるのですが、どうしても1人だけの撮影が続くとメンタル的にも少し大変だった」と明かし、「キャストたちの支えがあって撮影ができていると改めて感じたし、支え合いながら約1年半やってきました」と感謝の思いを口にする。

 撮影を完走したことで得たものを聞くと、「芝居の技術的な面にしても、(五十嵐元太役の)戸次重幸さん、(五十嵐幸実役の)映美くららさん、(赤石英雄役の)橋本じゅんさん、(牛島太助役の)矢柴俊博さんといったキャリアのある俳優さんが多く、現場の雰囲気も引き締まるし、芝居の相談に乗ってくれたりアドバイスをくれたりしました」と話し、「1年間、芝居に対して学ばせていただくことが多かったです」と振り返る。

 そんな“先輩1号ライダー”である前田さんに聞いておきたいことはと話題を振ると、簡さんは「座長と言われる立ち位置で、周りのキャストのみんなをどうまとめていけばいいのかわからない。遠慮しがちで、僕がこうしようと思っていることも全然周りに言えない。今は自分が率先してやってついてきてくれたらいいなという思いでやっています」と悩みを打ち明ける。

 そんな簡さんに「すごくわかる。それでいいと思う」と前田さんはにっこり。「僕も最初みんなを引っ張っていかないといけないと思っていたけど、途中からみんなが支えてくれるような座長になりたいと思った」と振り返る。

 前田さんは「率先して自分がしっかりやれば、みんなもきっちりやっている人のために頑張ってくれると思う。その結果、みんなから『座長として背中で見せてくれた』と言ってもらえた。座長だから、といったものも大事だと思うけど、自分のやり方は間違いではなかったと今は思っています」とコメント。簡さんは、「ありがとうございます」と安心したような表情を浮かべていた。

 ◇“1号ライダー”として“継承”してほしいこと

 昨年末に公開された映画「仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ」のインタビューで、“先輩1号ライダー”である神山飛羽真/仮面ライダーセイバー役の内藤秀一郎さんから、ビデオメッセージで「ライダーとして“継承”してほしいこと」を伝えられた際、前田さんは、「ライダーの歴史のつながりをすごく感じた。そのつながりを僕も次のライダーに受け継いでいかないといけない。1年間かけて学んでいることを伝えて、さらに仮面ライダーという作品が素晴らしいものになれば」と語っていた。

 1年がたち今度は後輩に伝える側になった前田さんに同じ質問をすると、「スタッフさんやキャスト、応援してくれるファンの皆さんなど、出会いや人とのつながりは大事にしていってほしい。自分がしんどい時期も頑張っていれば誰か助けてくれるので、人と人とのつながりを大事にした方がいい」とさまざまな人との“縁”の大切さを挙げる。

 神妙な表情で聞いていた簡さんが「本当にその通りだと思います。人とつながれなくなったら……と考えるだけで怖い。人と人とのつながりは大切にすべきですね」と納得した表情を見せると、前田さんは「僕もビデオで送りたかった(笑い)。隣にいるとちょっと恥ずかしいし、先輩面しているみたいで恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべた。

 ◇「みんなそれぞれヒーロー」

 2人は1号ライダーという立ち位置をどう感じているのだろうか。

 簡さんは、「みんな同じ立ち位置。その中で浮世英寿、1号ライダーという役をもらったとしか思っていない。みんな同じ立ち位置じゃなかったら、もっと遠慮なく引っ張っていけるかもしれないけど、同じ立ち位置でみんなで良い作品を作ろうと日々頑張っています」と語る。

 前田さんも、「そうだなと思う。僕らは(リバイとバイスで)1号が2人いるし、みんなファミリーだと思って1年間やってきたので、1号だから2号だからとかはあまり気にしたことはない。みんなそれぞれヒーローですね」とうなずく。

 劇場版には放送開始から20周年を迎えた「仮面ライダー龍騎」の仮面ライダーが登場することでも話題を集めている。

 前田さんは、「『ギーツ』と『リバイス』の世界観の違いが混じり合うのは面白いし、当時僕は2~3歳でしたが、仮面ライダーが好きないとことおもちゃで遊んでいた記憶がよみがえり、カッコよすぎて一緒に写真を撮ってもらった『龍騎』のメンバーも出ます」と切り出し、「『ギーツ』を見てくださっている方も『リバイス』を見てくださっていた方も、昔からライダーをずっと応援してくれている方も、みんながみんな楽しめる作品になっています」と見どころを語る。

 「龍騎」放送時は0歳で、今作に合わせて映画やテレビシリーズを見たという簡さんは、「最近見たものと現実で会うのは不思議な感覚でめちゃくちゃ震えました。先輩ライダーの龍騎の皆さんも出てくださるのも見どころだし、リバイスとギーツの絡み、英寿と一輝兄の芝居も見どころです。楽しみにしていただけたらうれしい」と呼びかけた。

 映画は「リバイス」「ギーツ」のクロスオーバー作品となり、リバイスの“最後の物語”となる第1部、ギーツとリバイスが共演する第2部の“シームレス2部構成”で製作。ヒーローたちが繰り広げるバトルロワイヤルゲームを描く。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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