梅原裕一郎×武内駿輔:「BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-」豪華声優陣にビビる 奥深い低音

「BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-」の一場面(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
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「BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-」の一場面(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ

 「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された久保帯人さんの人気マンガ「BLEACH(ブリーチ)」の最終章「千年血戦篇」のテレビアニメ第2クール「BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-」が、7月8日から毎週土曜午後11時にテレビ東京系ほかで放送される。梅原裕一郎さんが、<<見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)>>の精鋭部隊・星十字騎士団(シュテルンリッター)のユーグラム・ハッシュヴァルト、武内駿輔さんが同団のアスキン・ナックルヴァールを演じるなど豪華キャストが出演していることも話題になっている。梅原さん、武内さんに収録の様子、互いの役者としての印象などについて聞いた。

ウナギノボリ

 ◇「BLEACH」は男子の理想

 --「BLEACH」の印象は?

 武内さん 僕が小学生の時からマンガもアニメもやっていて、当時から楽しんでいました。ゲームなどの展開もあったので、いろいろな媒体で「BLEACH」に触れていました。

 梅原さん 僕は子供の頃、「BLEACH」に限らずアニメにあまり触れていなかったのですが、そんな僕でももちろんタイトルは知っていました。

 武内さん 当時の「ジャンプ」の中で珍しい主人公像だった印象があります。当時の10代に感覚が近く、一護は僕が思う当時の男子の理想型でした。髪が少しツンツンしていてスタイルもよくて、制服の着崩し方も格好よく、中学生、高校生になったらこんな風になりたい!と思っていました。登場人物も比較的現実的で、親近感がわきつつ、こういう格好をしてみたい!と思っていました、憧れる世界観でした。

 梅原さん ファッションを含めてキャラクターデザインが本当におしゃれですよね。和のテイストが入っていたり、ラッパーっぽいキャラクターもいたり、キャラクター数が多いのに、それぞれが個性的で差別化されているなと感じます。

 武内さん ネーミングセンスもずば抜けていますよね。

 梅原さん そうですね。

 武内さん 「グリムジョー」「流刃若火」とかね。「破道」も言いたくなる。衝撃的でした。声優業界で世代が近い鈴木崚汰さんも「破道」を全部詠唱できる。そういう人がいっぱいいるんですよね。

 --梅原さんは子供の頃、アニメを見ていなかったということでしたが、何に興味があったのでしょうか?

 梅原さん ずっとレゴブロックで遊んでいました。テレビ自体をそんなに見ていなくて。

 武内さん 音楽は好きですよね?

 梅原さん そうですね。ただ、同世代と同じものをあまり見ていないかもしれません。映画を見るにしても親と一緒に見ていましたし、マンガだと「コブラ」とかは読んでいたのですが。

 ◇個性的な声優陣の中で差別化できるか?

 --役にどうやって向き合っている?

 梅原さん オーディション自体は結構前で、ゲームのタイミングでお声掛けいただき、オーディションに参加させていただきました。途中から登場するキャラクターですし、僕は「BLEACH」とは何か?というところから勉強しました。アニメの収録が始まった時は「声をあまり低くしすぎないで」というお話がありました。「少し未熟なところを残してほしい」と。オーディションの時は、ナチュラルに青瓢箪でしたが、年を重ねて、妙な貫禄が付いてしまったのかもしれません。

 武内さん 先輩ばかりの現場で、僕は比較的に若めですし、キャリア、年齢、演技も含めて「頑張ってくださいね」「お願いしますね!」みたいなニュアンスだったんだと思います。収録では、伸び伸びやらせていただいています。アスキンは、<<見えざる帝国>>の中でも少し雰囲気が違います。ほかは、自信家で自分が一番強い!という気概を感じるキャラクターが多いですが、アスキンは自信があるのですが、自分自身に対して客観性を持っているなと感じたので、そこを大切にして挑もうとしました。

 梅原さん 確かにそうそうたる声優陣なのでビビリました。

 武内さん ゲームの収録も大変でしたよね。歴史のある作品での初めての収録で、僕らは積み上げたものがない状態でしたから。

 梅原さん 僕の場合は一人の収録で、名ぜりふばかりでしたし。

 -ー梅原さんはビビることがあるんですね。

 武内さん 心臓の鼓動が早くなったり?

 梅原さん 早くなっていますよ。武内君と一緒の時もめちゃくちゃ緊張していました。このご時世で、分散収録でしたが、皆さんと一緒だったらもっと緊張していたと思います。どのキャラクターも個性的、声優陣も個性的なので、ハッシュヴァルトというキャラクターを演じる中で、差別化できるのか? そういう緊張感がありました。

 武内さん 僕も緊張しましたよ。梅原さんと一緒にできる!と喜んでいましたけど。

 ◇梅原裕一郎のオーラ

 --お互いの印象は?

 武内さん ハッシュヴァルトがぴったりですよね。どうやったらあの雰囲気を出せるんだろう? 空気感と言いますか、声の響きもすごいのですが、オーラのようなものがお芝居から見えてきます。難しいことはやっていないよ……みたいな感じでマイク前に立っているんですけど。いい意味で、ですよ!

 梅原さん そうかな(笑い)。

 武内さん どうやっているのか裏側が見えない! すごいんですよ。

 梅原さん めちゃくちゃ緊張していますよ。

 武内さん 緊張しているのが分からない! すごくないですか!

 梅原さん 武内君は抜け感がいいんですよね。

 武内さん 本人が抜けているから(笑い)。

 梅原さん そういう意味じゃない(笑い)。僕が武内君の年齢だったら、絶対できていなかった。自然体で、決めるところは決める。楽しそうにお芝居しているのもいいんですよね。ナチュラルで、せりふという感じに聞こえない時もあります。難しいせりふ、長ぜりふは、読んでいるようになってしまうことがありますが、武内君が演じると、その場にキャラクターがいるように感じます。生きているせりふなんです。

 武内さん 僕は、梅原さんを研究して、構造を学ぼうとするのですが、できないんです。にごりのないストレートな表現なんですけど、いい意味で純粋な芝居心を感じて、それが独特の空気感になっています。まねしようとしても絶対にできない。僕が梅原さんの声を持っていたら、もっと格好つけてしまうと思います。でも、格好つけるとクドくなってしまいます。全く飾らないのが一番格好いい。その境地に達するにはどうしたらいいんだろう?と考えてしまいます。

 梅原さん ハッシュヴァルトに関しては、その辺りが難しかったです。原作を読んだ印象で、口をあまり開かないと感じていたので、アフレコでも気を付けていたのですが、口を開けないでしゃべると滑舌が悪くなりますし、バランスが難しかったです。

 武内さん ハッシュヴァルトの一点だけを見つめている感じも格好いいです。芝居からそこを感じています。

 -ーお二人とも低音が魅力的です。

 武内さん 本人としては、そんなに低くないよね?と思っています。

 梅原さん そういうイメージを持っていただけるのはうれしいです。低音は奥深いですね。

 -ー最後に放送に向けてメッセージをお願いします。

 梅原さん 第2クールに突入し、お話もどんどん展開していきます。我々が攻めてきます! 熱いバトル、絶望感もあり、見ていると辛い気持ちになるところもありますが、お楽しみいただけるはずです。ぜひともよろしくお願いします。

 武内さん 原作では描ききれなかったところがアニメで描かれています。先生が監修してくださっていて、ファンの皆さんがすごく楽しんでいただけるポイントだと思います。キャラクターのバックボーンがより見えるようになり、それぞれの個性がより光るアニメになっています。初めて見る方も「BLEACH」はそうそうたるスタッフによる、日本最高峰のアニメのクオリティーになっているので、楽しんでいただけるはずです。原作、これまでのアニメにも興味を持っていただけますと幸いです。

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