解説:ガンプラ世界一を決めるGBWC 日本代表候補公開 歴史を振り返る

「ガンプラビルダーズワールドカップ 11thトーナメント」の日本代表候補の「Re,Born」(ヨ作さん)
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「ガンプラビルダーズワールドカップ 11thトーナメント」の日本代表候補の「Re,Born」(ヨ作さん)

 アニメ「ガンダム」シリーズのプラモデル(ガンプラ)の作り手世界一を決めるコンテスト「ガンプラビルダーズワールドカップ(GBWC)」の第11回「ガンプラビルダーズワールドカップ 11thトーナメント」の日本大会決勝戦と表彰式が11月18日に開催される。日本代表候補発表に選ばれた力作が公開された。日本大会決勝戦を前に、GBWCの歴史を解説する。

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 ◇日本代表の世界一は?

 GBWCは、ガンプラの工作や塗装技術、アイデアなどを競う国際大会で、2011年に始まった。初回となった2011年はクシャトリヤをベースに作った「Kshatriya 4」(マレーシア代表ホー・イック・インさん)が優勝し、初代王者となった。14歳以下が対象のジュニアコースでは、当時小学2年生だった畑めいさんの「ザクとの戦い」が日本代表に選ばれたことも話題になった。畑さんは2015年まで5年連続で日本代表に選ばれたが、2016年は代表入りを逃し、2017年は最後のジュニアコースで初めて世界王者となった。

 2012年は、リゼルなどをベースに作り上げた「PROJECT GWEN-REZEL FA+FW」(香港代表ン・エディさん)が世界一になった。2013年は、νガンダムをベースに制作した「宇宙世紀最強の機体」(日本代表山内俊平さん)が世界一となり、日本代表が初優勝したことも話題になった。

 2014年は、ジ・Oなどをベースに作った「インベーダーズ ファウンド」(マレーシア代表アンディ・ウォンさん)、2015年は、ウイングガンダムなどで制作した「アナザー レイト ナイト」(タイ代表のヴィチャユス・エイアム・オンさん)が優勝。2016年は源義経と弁慶が出会った五条大橋をイメージして作った「永遠の絆 ~義経・弁慶 新しき国へ~」(日本代表横田ユースケさん)が世界一になり、日本代表が3年ぶりに優勝した。

 2017年は「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」「機動戦士ガンダムSEED」「機動戦士ガンダム00」などのガンプラのパーツを組み合わせた「エネミー スポッテッド」(フィリピン代表マーク・メディアヴィロさん)が優勝。

 2018年の優勝は、エクシアリペアIIを改修している情景を表現した「ガンダムエクシアリペアII -胎動-」(日本代表ウツギさん)で、2年ぶりに日本が世界一に輝いた。2019年は、ガンダムエクシアがベースの「Dream」(中国代表ショウ・チュウシュンさん)が優勝した。

 ◇歴代王者はアジア勢が強い

 2019年以来、約3年ぶりの開催となった2022年は、2コースから3コースになった。それまでは、15歳以上が対象のオープンコース、14歳以下が対象のジュニアコースだったが、14歳以下のU-14コース、15歳以上、20歳以下のU-20コース、21歳以上のOVER-21コースにわかれた。

 2022年のOVER-21コースは、「フラグメント オブ ア スター」(香港特別行政区代表マンソン・ングさん)が世界一に選ばれた。シャア専用ゲルググとエルメスをベースとした作品で、制作者によると「テーマは愛。ララァを失ったシャアの葛藤を表現しました。ゲルググの赤色を表現するためにコントラストにこだわりました」という。

 ガンプラの海外の売り上げは、日本以外のアジア圏が多くを占めるとも言われており、これまでのGBWCではアジア勢が強かったようだ。一方、欧米でのガンプラの需要が増えているといい、健闘が期待される。

 ◇4年ぶりリアル開催

 今年は、前回同様にU-14、U-20、OVER-21の3コースがあり、日本、中国内地、韓国、台湾、香港特別行政区、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、ベトナム、米国、カナダ、ヨーロッパ&中東、英国で開催される。各代表は12月16日に行われる世界大会決勝戦に出場する。川口名人ことバンダイスピリッツの川口克己さんらが審査する。

 日本大会決勝戦と表彰式が11月18日、ガンダムベース東京(東京都江東区)で開催され、各コースの日本代表が決まる。昨年の決勝戦、表彰式はオンラインだったこともあり、リアルでの開催は4年ぶりとなる。

 公式サイトでは、各コースの2次予選の結果が発表されており、オーディエンス賞を決めるウェブ投票を11月15日まで受け付けている。激闘の行方に注目してほしい。

(c)創通・サンライズ(c)創通・サンライズ・MBS

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