女優の宮崎あおいさんが16日、東京都内で行われた劇場版アニメ「おおかみこどもの雨と雪」(細田守監督)の主題歌披露イベントに細田監督らと登場。音楽家の高木正勝さんのピアノ演奏で、シンガー・ソングライターのアン・サリーさんが生歌を披露すると、主人公・花の声を担当した宮崎さんは「裏で、泣いちゃって……。本当にすごく好きな歌だったので、生で聞けたのがすごくうれしかったですし、いろんなことがすごくいとおしいなと思いました」と声を詰まらせた。
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主題歌「おかあさんの唄」は、細田監督が自ら作詞したもので、イベントでは誕生秘話も語られた。宮崎さんが「すごい歌詞だな、なんてすてきな曲なんだろうと思ってたら、そんな歌詞をお書きになったのが監督と聞いて、さらにすごいと思いました」と絶賛すると、細田監督は「高木さんにエンディングテーマを作ってほしいと思って、この映画のイメージの詩をダーッと書いて、『いいようにしてください』と送ったら、そのまま歌になってきてびっくりしました」と照れながら明かした。
細田監督は主題歌について「変わった映画なので、深く何かが心に届く曲が必要だと思った。直接魂に届くような曲が必要だと、(高木さんに)ものすごく無理やり頼んだ」とその重要性を語り、「僕の(歌手の)イメージは世界中のお母さんを代表するような声の方。高木さんと、『アン・サリーさんだ』と一致しました」と話した。高木さんは「絵コンテの状態で、どのくらいのスケールかはなかなかつかめず、気持ちだけが焦った」と苦労を語ったが「途中で、お母さんの映画なんだと気づいて、(主人公の)花さんを見守る立場から曲を書いたら出てきた。歌って聞かせると、みんな泣いているという不思議な曲」としみじみと語った。
サリーさんは、映画について「自分が歌ったことを忘れて、試写でたくさん泣いてしまった。自分の歌が流れたときに我に返りました」と苦笑いし、2児の母でもあることから「おおかみこどもをモチーフにはしていますけれど、育児については同じ。映画を見たら、うちの子どもも家で叫ぶようになりまして、おおかみこども化しております」と話した。宮崎さんは「お母さんってアンテナがすごい。お母さんに産んでもらって、育ててもらって、当たり前にある日常が、奇跡みたいな感じなんだなと思いました」と思いにふけっていた。
「おおかみこどもの雨と雪」は、「時をかける少女」(06年)や「サマーウォーズ」(09年)で知られる細田監督の劇場版アニメ最新作。「親子」をテーマに、花の“おおかみおとこ”との出会いから恋愛、結婚、出産、子育て、子どもの“おおかみこども”の成長と自立を描いている。映画は、21日から全国東宝系で公開。(毎日新聞デジタル)
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