女優の吉永小百合さんが小学校教師だった主人公・はる役で主演する東映創立60周年記念映画「北のカナリアたち」(阪本順治監督)の初日舞台あいさつが3日、東京都内であり、吉永さん、柴田恭兵さん、宮崎あおいさんら豪華キャストが登場。初日を迎え、吉永さんは「今日こうやって皆さんにご覧いただいたこと、本当にうれしくて、今、胸がいっぱいです」と感無量の様子で、「最初はそれぞれ作品で主役をやっていらっしゃる方たちとうまくアンサンブルがとれるのかと心配だった」と明かしたが、「俳優、監督、スタッフとみんなで輪になって映画を作ったという思いなんです。俳優としてずっとやってきて、初めて。本当に幸せです」と力を込めた。
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感激の表情を見せる吉永さんに、柴田さんは「監督よりも、吉永さんにみんな褒められたかったんですよ」とにっこり。吉永さんが「いや、そんな……」と謙遜すると、会場は大きな拍手に包まれた。「北のカナリアたち」は、北海道の礼文島、利尻島をおもな舞台に、20年前に離島の小学校教師として合唱などを教えていた川島はる(吉永さん)が、最後の教え子が起こした事件を知り、教え子たちと再会を果たすが、それをきっかけに当時のある事故の謎が浮かび上がってくるというヒューマンサスペンス。「告白」の原作で知られる作家・湊かなえさんの原案を、「大鹿村騒動記」などの阪本監督がメガホンをとり、映画「劔岳 点の記」の木村大作さんが撮影を担当。脚本は「霧の子午線」「北の零年」などの那須真知子さんが手がけている。
初日舞台あいさつには、仲村トオルさん、里見浩太朗さん、森山未來さん、満島ひかりさん、勝地涼さん、小池栄子さん、松田龍平さん、阪本監督も登場。会場には、物語の原点となった北海道の分校の教室が再現され、キャストそれぞれが作品への思いを黒板に書いた。紫色のハートマークに、グリーンの文字で「雪」と書いた松田さんは「雪がすごく降ってたんで」と淡々と語りながらも、「ハートは、雪の中で吉永さんがすてきで、雪が似合う方だと思ったから」と照れながら告白。吉永さんは、「ありがとうございます」と喜びの表情だった。
一方、「ひとつになる。」と書いた宮崎さんは、「合唱のシーンで、先生に(メンバーと)目を見ながら、キャッチボールをしながら歌ってくださいといわれていたんです。それまで小池さんとはあまりお話ししたことがなかったんですけど、いきなり見つめ合いながら歌って。照れくさくもあったんですけど、近づけた感じもありました」と撮影のエピソードを披露。また、吉永さんと視線を交わしたときについては、「自然に涙があふれてくるような、幸せな気持ちになりました」と振り返っていた。(毎日新聞デジタル)
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