東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中のマンガの祭典「コミックマーケット(コミケ)84」の「コスプレエリア」では、人気キャラクターに扮(ふん)したコスプレーヤーが自慢の衣装を披露している。同イベントは近年、“長もの”と呼ばれる小道具の使用を認めたり、コスプレの撮影が可能なエリアを拡大するなどルールを変更してきたが、今回から、一部エリアで三脚やレフ板を使用した撮影ができるようになるなど、撮影者側の規制緩和も図られた。
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撮影機材は、これまで使用を禁止していた一脚が使用できるようになったのに加え、東ホール周辺など一部エリアで三脚やレフ板の使用が認められた。主催者によると、昨年冬の「コミケ83」からコスプレを撮影できるエリアも大幅に拡大したことによって、コスプレーヤーや撮影者が一部エリアに集中しなくなったことを受けて、これまで安全面を考慮して規制してきた撮影機材の使用を認めたという。
10日のコスプレエリアを見ると、エリア拡大によるコスプレーヤーや撮影者の一極集中化は解消されており、コスプレタレントの綾川ゆんまおさんは「これまで混雑していた屋外展示場も、広々とコスプレを楽しめるようになっていた。一方、昨年冬から撮影が可能になったエントランスは、東京ビッグサイトを背景に撮影ができることもあって、利用者が増えていた。今後、人気スポットになるのでは」と話している。
また、前回まで、警察官や消防官、警備員など行政や捜査、業務上の権限が伴う職種職業の制服を着用を禁止していたが、今回から移動中は上着を着ることや本職と間違われる行動、言動を禁止するという条件で解禁された。これまで、マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」やドラマ「踊る大捜査線」シリーズなど、警察をテーマとした作品のコスプレはできないのか……などとルールの線引きが曖昧だったが、明確化された格好だ。
コミケでは、30センチを超える長さの小道具の持ち込みを禁止してきたが、2011年夏の「コミケ80」から“表現の幅を広げる”目的で、分解して持ち運べることを条件に、高さ2メートル以内、幅1メートル以内の小道具の持ち込みを許可し、露出については女性の胸は3分の1程度までの露出で下着の着用を義務付けるなどガイドラインが明確化された。コミケは、ほかのコスプレイベントと比較すると、規制が厳しいといわれてきたが、近年の規制緩和によってコスプレーヤーの表現の幅が広がっている。
コミケでは毎回、そのときの流行を反映したコスプレが披露されるが、今回はアニメが人気の「進撃の巨人」や10月にアニメ第2期がスタートする「マギ」などが人気を集めていたほか、「魔法少女まどか☆マギカ」や初音ミクといった“定番”となりつつあるコスプレも多く見られた。コミケでコスプレをするには1日当たり800円の登録料が必要。(毎日新聞デジタル)
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