岩明均さんの人気マンガ「寄生獣」のテレビアニメ版「寄生獣 セイの格率」(日本テレビ、10月から放送)の会見が15日、東京都内で開かれ、主人公の泉新一役の島崎信長さん、新一に取り付いた寄生生物(パラサイト)のミギー役の平野綾さん、幼なじみの村野里美役の花澤香菜さんら出演声優が登場。ミギーの声を男性の声で読んでいたという平野さんは「原作が大好きなので何でミギーが自分なんだろうと思ったりもしましたが、自分なりのミギーを作っていけたら」と意気込みを語った。
ウナギノボリ
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「寄生獣」は、1989~95年に「月刊アフタヌーン」(講談社)で連載。人間に寄生して恐ろしい力で人間を捕食するパラサイトの脅威に、パラサイトの「ミギー」が右手に寄生した高校生の新一が悩みながらも立ち向かう姿などを描いている。コミックスの累計発行部数が1100万部を突破するなど、90年代を代表する人気作となった。
会見ではアニメ版に付いたサブタイトル「セイの格率」の語源について、行為規則を表す哲学用語や「セイ」という言葉にさまざまな意味合いを持たせたと説明。また、新たなキャスト陣も発表。新一の中に人間以外の存在を感じ、徐々に新一に興味を抱くようになる君嶋加奈役を沢城みゆきさんが務めるほか、高い知能を持つパラサイトで、新一やミギーにも影響を与える田宮良子役を田中敦子さん、快楽殺人鬼の浦上役を吉野裕行さんが担当。安野希世乃さん、前田玲奈さんらも出演する。
88年に生まれたという島崎さんは「舞台が現代になって、メガネをかけていたりしますが、中身は変わっていないと原作ファンの方にも安心して見ていただけるはず。メガネは新一の成長を表現するギミック」とコメント。マネジャーから人生のバイブルだと言われてオーディションに臨んだという花澤さんは「役が決まってマネジャーとハイタッチしました」と笑顔を見せた。
「格率」という言葉は、18世紀後半のドイツの哲学者であるカントの提唱した哲学用語です。「そうあるべき、と誰かに教えられたわけでもないのに、それぞれがおのずから理解・実践している行動規範」といった意味の言葉です。
「寄生獣」という作品では、生態系の頂点たる人間が、寄生生物の登場によりその座を引きずりおろされたという世界観で物語が進行します。人間も寄生生物もそれぞれのルール、すなわち「格率」に基づいて生きている中、その中庸の「まざっている」主人公・新一と寄生生物であるミギーが、それぞれの生存原理に基づき葛藤するさまが描かれています。すなわち「葛藤する格率」「揺れ動く格率」が大きなテーマになっていると考えております。
「善」とは何か、「悪」とは何か。ひいては「愛」とは何か、「生きる」とは何かという重要なテーマを、彼らは作中で終始、問い続けているといえるのです。
また、「セイ」に関しては、「生」だけでなく「正」「性」「聖」などの「セイ」という音で連想されるさまざまな言葉が、それぞれ、寄生獣という作品をひもとくうえで重要なキーワードになっているのではないかと考えました。物語のテーマに関わる複数の意味の読み方である「セイ」の言葉をかかげることで、アニメーション作品としての寄生獣の大きなテーマ、アイデンティティーとしています。
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