女優の森川葵さん主演の映画「チョコリエッタ」(風間志織監督)が17日から公開された。髪を約30センチ切って丸刈り頭で役に挑んだが、髪を切ることには「抵抗はなかった」とあっけらかんと話す。不思議な魅力を放つ森川さんに話を聞いた。
ウナギノボリ
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森川さんはファッション誌「Seventeen」(集英社)の専属モデルとして活躍する一方、12年に初主演映画「LOVE ToRAIN−ラヴトレイン−」(伊藤陽佑監督)で女優デビュー。14年には「渇き。」(中島哲也監督)や「人狼ゲームビーストサイド」(熊坂出監督)などティーンの間で話題の映画に立て続けに出演、今年は本作のほか主演映画「おんなのこきらい」(加藤綾佳監督)の公開が2月14日に控えるなど、女優としてもブレークの兆しを見せている。
「チョコリエッタ」は、大島真寿美さんの同名小説が原作。高校生の知世子(森川さん)は幼い時に母を亡くし、心の支えだった愛犬ジュリエッタも死んでしまう。ジュリエッタと同じくらい髪を短く切った知世子はある日、伊の名匠・フェデリコ・フェリーニの映画「道」を通じて映画好きで変わり者の先輩・正宗(菅田将暉さん)と出会う。2人は“ここじゃないどこか”を目指して旅に出てる……というストーリー。
映画の撮影前は「肩につくかつかないくらいの長さだった」という髪を約30センチ切って丸刈り頭にしたが「抵抗はなかった」と話す森川さん。「その時期、髪の毛が傷んでいたので、傷んでいる髪ならいらないって思って。ちょうど丸刈りにできて、ラッキーという感じでしたね」とあっけらかんと笑う。
映画は、知世子と正宗のロードムービーだが、その一方で教室の後ろに置かれた遺影、画面いっぱいに広がるひまわり、人がいない商店街、知世子と正宗が着る防護服など、原発事故が起こったと思われる世界の様子が描かれているが、それらの描写について明確な説明はない。
「私自身、映画を正直理解できていない。ちゃんと理解していないのに、こういうことなんじゃないかって話すのが監督の意図と違ったらいやなので……。(原発の描写についても)自分の中で『こうなのかな』って思えばいいんじゃないかなって」と率直な思いを口にする。「監督もきっと説明したいわけではなくて、映画を見て何か感じるものがあればいいなと思っている気がします。説明したかったらせりふにも入ってくるはず。まずは何も考えずに映画を見てみていただければ」と力を込める。
10代の危うさと愛らしさを併せ持つ難役を見事に演じきった森川さん。今後について聞くと「“森川葵”でいくんじゃなくていろいろな“人”になれる女優になりたい」と話す。「地味な子からギャルまでいろいろな役を演じられる、いろいろなことをやらせてみたくなるような女優になりたいです」と目を輝かせた。
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