注目映画紹介:「新宿スワン」綾野剛主演で映画化 歌舞伎町を舞台に男たちが織りなす熱いドラマ

「新宿スワン」のワンシーン (C)2015「新宿スワン」製作委員会
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「新宿スワン」のワンシーン (C)2015「新宿スワン」製作委員会

 俳優の綾野剛さん主演の映画「新宿スワン」が30日に公開される。「新宿スワン」は、和久井健さんの人気マンガ「新宿スワン 歌舞伎町スカウトサバイバル」が原作。東京・歌舞伎町を舞台に、水商売のスカウトマンとなった主人公が、さまざまな女性たちを“業界”に送り出しながら、スカウトマンとしてのし上がっていくための争いに身を投じる姿を描く。主人公・白鳥龍彦を綾野剛さんが演じるほか、沢尻エリカさん、山田孝之さん、伊勢谷友介さんら豪華キャストが出演。鬼才・園子温監督がメガホンをとった。

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 一文無しの白鳥龍彦(綾野さん)は新宿へとやって来て、当てもなく歌舞伎町をさ迷っていたところ乱闘に巻き込まれる。騒動の中、スカウトマンの真虎(伊勢谷さん)に助けられた龍彦はスカウトの世界に誘われ、スカウト会社「バースト」の一員となる。男女の欲望やさまざまな思惑がからみ合う裏社会に足を踏み入れた龍彦は、いっぱしのスカウトマンになることを目指すが……というストーリー。

 裏社会を描いた人気マンガで、救いがないようなエピソードも含まれる原作だが、映画版にはそういったほろ苦さやダークさを絶妙に盛り込み、重厚かつ熱量あふれるドラマに仕上げている。園テイストはややマイルドになっているものの、各キャラクターの個性を生かしつつ、次々くり出されるアクションの数々は、躍動感とリアリティーにあふれ、濃密だ。内容的にはハードな面も否めないが、綾野さん演じる龍彦のキャラクターにはどこか救われる部分もあり、どんな障害にも前向きな姿勢でぶつかっていく姿は痛快ですらある。伊勢谷さんや山田さんらの危険な男ぶりも、物語を熱くさせている。歌舞伎町の華やかさとみだらさが同居したカオスな雰囲気が魅力的だ。オオカミの覆面をした異色のロックバンド「MAN WITH A MISSION」が主題歌を、ロックバンド「UVERworld」が挿入歌をそれぞれ担当している。TOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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