大ヒットマンガ「DEATH NOTE(デスノート)」でコンビを組んだ原作・大場つぐみさん、マンガ・小畑健さんによる作品が原作の実写映画「バクマン。」(大根仁監督)が3日から公開される。佐藤健さん、神木隆之介さんのダブル主人公が、コンビを組んでマンガ誌「週刊少年ジャンプ」で連載する苦悩や喜びなどが描かれている。ライバル役で出演する染谷将太さんをはじめ、桐谷健太さん、山田孝之さん、小松菜奈さん、リリー・フランキーさんなど豪華俳優陣が顔をそろえた。マンガのコマを融合させた独特のビジュアルで描かれる作画シーンや「友情・努力・勝利」の“ジャンプ3原則”を地でいく「少年マンガ」の王道的な感動ストーリーが見どころだ。
ウナギノボリ
解説:新たな“最高峰”を目指したガンプラ 45周年のこだわりとは
平凡な高校生のサイコーこと真城最高(佐藤さん)はある日、クラスメートで秀才のシュージンこと高木秋人(神木さん)に、ひそかに憧れていたクラスメートの亜豆(小松さん)を描いた絵を見られ、一緒にマンガ家になることを持ちかけられる。初めは取り合わなかったサイコーだが、声優になることが夢という亜豆を前に「マンガ家になってアニメ化されたらヒロイン役で声優に出る」ことを約束してもらい、シュージンと「ジャンプ」で連載しアニメ化されることを目標にマンガ家を目指す。「ジャンプ」での連載が決まったサイコーとシュージンは、同じ高校生マンガ家の天才・新妻エイジ(染谷さん)や兄貴肌の福田(桐谷さん)、脱サラした平丸(新井浩文さん)らとともに切磋琢磨(せっさたくま)しながら「ジャンプ」の読者アンケート1位を目指すが……というストーリー。2人を支える編集者役で山田さん、「ジャンプ」編集長役でリリーさん、亡くなったおじの川口たろう役で宮藤官九郎さんらも出演している。
「ドラゴンボール」や「スラムダンク」などの大ヒット作が連載され発行部数が600万部を突破したころの「ジャンプ」を愛読していた世代としては、冒頭の「ジャンプ」紹介シーンから早くもくすぐられる。作品内には「スラムダンク」をはじめ有名マンガへのオマージュと思われる小ネタがところどころにちりばめられており、マンガ好きなら誰もが思わずニヤリとさせられるだろう。観賞前は、原作はせりふが多いし、見せ場の作画シーンも場面的には地味なので実写にするには難しいのではと思っていたが、低い位置や頭上からの目線など、いくつかの角度からのアップや効果音、さらに浮き上がる絵柄やプロジェクションマッピングを融合させた独特の演出も駆使することで迫力ある作画シーンを作り出している。
発表時には「逆では?」と話題になったサイコーとシュージンのキャスティングも違和感はなく、福田役の桐谷さん、川口たろう役の宮藤さん、佐々木編集長役のリリーさんなどもハマり役。個人的には、ビジュアル的な共通点こそ少ないが編集者らしさが漂っている服部役の山田さんの演技がよかった。サイコーとシュージンがコンビを組んでマンガ家を目指し、賞を獲得するまでの展開はバタバタとやや駆け足で進んだように感じたが、後半はライバルたちと共闘しながら進む、まさに「友情・努力・勝利」を地で行くようなストーリーで引きこまれた。“マンガ”題材の映画らしいエンドロールも必見。3日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(河鰭悠太郎/毎日新聞デジタル)
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