マンガに精通する書店員らがその年の一番面白いマンガを選ぶ「マンガ大賞2016」の授賞式が29日、東京都内で開かれ、大賞を受賞した「ゴールデンカムイ」の作者・野田サトルさんが式に出席した。野田さんは、「ゴールデンカムイ」の主人公が日露戦争で戦った元兵士という設定になったことについて、「祖父が日露戦争の203高地で戦った屯田兵だったから」と祖父がモデルになっていたことを明かした。
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大賞受賞について野田さんは、マンガ大賞で2位となり、「このマンガがすごい! 2016」(宝島社)オトコ編で第1位になるなど、高評価を受けた九井諒子さんの「ダンジョン飯」を例に出し、「『ダンジョン飯』に勝ててうれしい」と喜びを表現して会場を沸かせた。また猟師と同行して鹿の脳ミソや生レバーを食べたエピソードを紹介しながら、迫力満点の作品作りについて「文献を調べるよりも本物の猟師に会って一言もらうほうが大きい」と持論を語った。
会見でのおもなやり取りは以下の通り。
祖父が(日露戦争の)203高地で戦った屯田兵だった。そして(担当編集の)大熊さんが「面白い」と持ってきてくれたのが、北海道を舞台にした熊谷達也さんの小説「銀狼王」で、それが面白くて二つをくっつけた。北海道を描くならアイヌは必然だから、案内役を少女にしようとした。
アイヌの血を引く猟師に付いていき、鹿を撃って脳ミソを食べさせてもらった。ただ猟師から「脳ミソは食(く)わないよ、さすがに」と笑って言われたことがある。また生レバーも食べたがシャキシャキしていて、グミのようだった。文献を調べるよりも本物の猟師に会って一言もらうほうが大きい。
宙ぶらりんで何もすることがなくて。20歳すぎてマンガを描いてみようと思いました。それまではニートに近い生活を送っていた。
綱渡りみたいな感じで、結構自由にかいている。もちろん骨組みはあるけれど、話の肉付けは自由にしている。なるべく読者の予想を裏切ろうと思っている。
取材ですね。(マンガの執筆は)おっかなびっくりだが、アイヌ文化は特に気を使っているし、腹を決めて描いている。徹底的に取材して、アイヌのことを丁寧に詳細に描くことで、(関係者から)「本気だ」と思ってもらえている。だから温かく見守ってもらえているのだと思う。
父親。ずっと応援してくれたので。
恋愛マンガ(笑い)。狩猟が最初にきているので、狩猟マンガかも。取って、食べて、毛皮や骨を活用している。それをマンガで見せられたらいい。季節が変われば、夏は海ガメ……というように採れるもの、生息区域が違う。いい配分でみせたい。
やれる……のでしょうか? もう一つ言えば、アイヌの言葉は、音声にすると難しいですよ。
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