竹達彩奈:「スチームパンクの衣装が着たい」がきっかけ 新シングルは映画のような世界観

ニューシングル「Miss.Revolutionist」について語った竹達彩奈さん
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ニューシングル「Miss.Revolutionist」について語った竹達彩奈さん

 声優アーティストとして活躍する竹達彩奈さんが、22日にニューシングル「Miss.Revolutionist」をリリースした。映画のような世界観を持ったクールな表題曲と、ライブで盛り上がりそうなポップナンバーというテイストの異なる2曲のロックサウンドに挑戦。どんな気持ちで歌ったのかなど竹達さんに話を聞いた。

ウナギノボリ

 ――「Miss.Revolutionist」は、疾走感があってカッコいい曲ですね。

 今までやったことのないものを意識しました。最初はスチームパンクの衣装を着たいな、そういう世界観を作りたいなというところから始まったんです。それで、スチームパンクから連想ゲームをするようにして考えていって、革命団みたいな集団の物語が浮かんで。そこから曲のイメージとして、カッコよくて革命を起こせるような、芯の強さを持った感じがいいと。

 ――そもそもスチームパンクの衣装を着たいという、きっかけは何だったんですか。

 何か特定の作品に触れて、影響を受けたというわけではなくて。たとえば今回の衣装でゴーグルを付けていたり、ゼンマイがいっぱい付いていたりするのですが、そういうファッション的な感覚で好きになったのが最初でした。でもそういうテイストを出す機会がなかなかなく、今回のシングルはアニメのタイアップが付かないということだったので、やるならこのタイミングしかない、と。

 ――これまでの可愛くてポップなものとは曲調が違う分、歌い方は何か意識しましたか。

 私が革命を起こす人だとして、どうやって歌うだろうということは、もちろん想像して歌ったのですが、「カッコよく歌わなきゃ!」みたいな意識はありませんでした。むしろナチュラルに歌えたらいいなと思って。気持ちが入るのはいいのですが、入りすぎると変にテクニック的なものが出過ぎてしまうことがあるので、出過ぎないようにシンプルさを意識して。主人公の気持ちを。ストレートに表現できたらいいなと思って歌いました。

 ――その主人公は、どういう世界でどういう革命を起こしたいと?

 近未来で電脳とかいろいろな技術は発達しているけれど、貧富の差がある世界のような……。主人公は、人がもっと平等に幸せに暮らせる世界を作ろうとしていて。自分も幸せになりたいし、自分の大切な人たちにも幸せになってほしい。そんな気持ちから、革命が始まっていると思います。

 ――ファンの反応は、どんな意見が多いですか。

 「カッコいい」と言ってもらえることが多いですね。前回のシングルが「Hey! カロリーQueen」だったので「前作とのギャップがすごい!」という感想も多いです。まあ、前回でカロリーを多くとったので、今回でその分消費しているみたいな感じでしょうか。

 ――初回限定盤のDVDに収録のミュージックビデオは、革命軍が戦うストーリーのような感じで。最初にハッキングするみたいなシーンがありますね。

 ハッキングするシーンは、監督が提案してくださって。ハッキングしていろんなモニタにAをかたどった私のマークが映し出されていくんですけど、それが「攻殻機動隊」の「笑い男」に出てくるシーンのようで。私、攻殻機動隊の世界が大好きで、私が思い描いたイメージともぴったりだったので、「まさしくこういうのを待ってました!」という感じで、飛び上がって喜びました。ぜひ多くの方に見ていただきたいです。

 ――カップリング曲の「らっきーちゅーん♪」はポップなロックナンバーですね。

 ガールズバンドを意識した曲です。ガールズバンドものがけっこう好きで、赤い公園さんに曲を書いていただいたこともあったし、大きなドラムを女の子の華奢(きゃしゃ)な腕でたたいてる姿を見ると、キュンキュンします。ガールズバンドは自分とそう遠くはない存在なので、すごく楽しく歌うことができました。

 ――かけ声をかけるところもあって、ライブで盛り上がりそうですね。

 今回は2曲ともライブを意識していて、「らっきーちゅーん♪」では、かけ声をみんなで一緒に歌って盛り上がれたらと思っています。

 ――「オモシロキコトモナキコノヨヲオモシロク」というフレーズが出てきますが。

 幕末の志士、高杉晋作の辞世の句です。面白くないなら自分から面白くしよう、と。この歌詞の中で、私が好きなフレーズの一つです。私自身もどんなに楽しくない日でも、楽しく過ごしたいと意識しているので、私が思っていることとぴったりだと思いました。

 ――楽しいことを見つける?

 マイナスの気持ちを家に持ち帰りたくなくて。家に帰って玄関を開けるとき、「今日は嫌な1日だった」ではなくて、「今日も楽しい1日だった」という気持ちで、その日を終えたいんです。だから大変だった日は、家に帰るまでの間にどんな小さなことでも良いから、楽しいと思えることを見つけるようにしています。たとえば好きな漫画を一冊買って帰るとか、好きな音楽を聴くとか、可愛い洋服を買って帰るとか。洋服は、買い過ぎてあとで「やっちゃったな~」というときもありますけれど(笑い)。

 <プロフィル>

 6月23日生まれ、埼玉県出身。「けいおん!」の中野梓をはじめ、「艦隊これくしょん-艦これ-」の大和、「ランス・アンド・マスクス」のホー・ユイフォンなど、人気アニメの声優を担当。アーティストとしては、2012年にシングル「Sinfonia! Sinfonia!!!」でデビュー。8月26~28日にさいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)で開催される「ANIMELO SUMMER LIVE 2016-刻-」などに出演。

 (インタビュー・文・撮影/榑林史章)

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