興行収入230億円を超え記録的なヒットを続ける劇場版アニメ「君の名は。」を手がけた新海誠監督が24日、東京都内で行われたトークイベントに出席した。新海監督はイベントで、次回作について「企画書の締め切りが迫っているのですが、まだ白紙です。まずいです」と苦笑しながら、「今、小説やマンガ、民俗学の本などを読んだり、映画を見たりしています。自分の気持ちとリンクする何かヒントがないかなって思っています」と明かした。
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さらに、新海監督は「『君の名は。』は最初からハッピーエンドにしようとして書きました。(過去の作品と比べて)あきらめずに何かを突き破る(ストーリーの)作品を書かないといけないと思っていた。その気持ちは今も持続しています。そこだけは確かです」と笑顔で話し、「皆さんが見た後にこういうの見たかったと思っていただけるものが、できる自信があります。その自信は、今回の映画の結果によっていただけたもの」と前向きに語った。
また、新海監督は「『君の名は。』は序破急みたいな三幕構成になっています。観客の感情がどういうふうに変化するかグラフで書いたり、観客をどのようにジェットコースターに乗せようかって考えた」といい、スタジオジブリの長編アニメーション映画「千と千尋の神隠し」に触れながら「三幕構成と違い、全部が面白い。パートで見ると全部わくわくする何かがある。一つ一つの密度が強い。『アナと雪の女王』といったポピュラー作品は全部そうだと思います」と持論を展開した。
新海監督は、韓国での上映や4月から北米での公開が決まっていることについて「不思議な感覚。海外での上映は視野にありましたが、ここまで広がるとは思っていませんでした」と喜び、「最近、町を歩いていて、何か聞いたことがあるなと思って立ち止まったら、『前前前世』のインストが流れていて、何気なく耳にするのは不思議な感覚ですね」と人気をかみしめていた。イベントは「HUAWEI presents 星空のイルミネーション」の満員御礼記念で、開発ユニット「AR三兄弟」の川田十夢さんも登場した。
「君の名は。」は、1000年ぶりとなる彗星(すいせい)の来訪を1カ月後に控えた日本を舞台に、山深い田舎町に暮らす女子高生・三葉と東京で暮らす男子高生の瀧が、入れ替わってしまう……というストーリー。主人公・瀧を俳優の神木隆之介さん、ヒロイン・三葉の声を女優の上白石萌音さんが演じている。国内での22日までの累計動員数は約1815万3100人、累計興行収入は約235億6100万円を記録している。
「HUAWEI presents 星空のイルミネーション」は東京・六本木の「六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー」内にある「星にタッチパネル劇場」と「君の名は。」がコラボレーションした期間限定イベントで、来場15万人突破を記念して行われた。「星空のイルミネーション」は同所で29日まで。
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