リュック・ベッソン監督による実写とアニメを融合したファンタジー映画「アーサーとミニモイの不思議な国」(07年日本公開)の続編「アーサーと魔王マルタザールの逆襲」は、前作に引き続き、米人気子役のフレディ・ハイモアさんが主演。前作で主人公のアーサー(ハイモアさん)は体長2ミリのミニモイ族に変身して「ミニモイの国」の危機を救い勇者となった。そのアーサーの元に、「助けて!」と書かれた米粒が届く。王女セレニアの危機を知ったアーサーは、宿敵・魔王マルタザールを倒すため、再び「ミニモイの国」へと向かうという物語。4月29日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開中の同作品で、再びメガホンをとったベッソン監督に話を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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−−この映画で子供たち、またその両親にどのようなメッセージを届けたいですか?
ベッソン監督 この映画は、子どもたちだけで見に来ると思うよ。この映画のメッセージの本質はとても繊細で、見えにくくなっていて、メッセージはいろいろなところにある。子どもたちがどのようなメッセージを受け取るかは誰もわからないよ。私はそういったものを押しつけたくないんだ。メッセージとしていいものは自然に受け入れられる。私は「メッセージを受け取りなさい!」みたいに強制はしないよ。もっと礼儀正しくいたい。特に日本人に対してね。なぜなら日本人は強制されることが好きではないからね。たくさんのメッセージがこの映画には込められている。どのメッセージを受け取るかは観客が選ぶんだ。
−−(日本の観客に)自由に楽しんでほしい?
ベッソン監督 そうだね、子どもたちはたくさんのメッセージを受け取るよ。自然や環境保護についてのメッセージが含まれているからね。子どもたちが(映画を見て)それらのメッセージを受け取るのは確かだと思うよ。
−−この映画を作る上でどういうことが最も大変でしたか? 特別に何か注意しましたか?
ベッソン監督 いつも私はすべてに注意を払っているよ。だから他には何もないよ。本当に私は完璧(かんぺき)に集中するタイプなんだ。いちばん難しかったことは、3年越しの仕事だね。(作品を作ることに)エキサイトして、それを3年間キープしなくちゃいけない。まさに“ロングラン”だよ。だからときどき、終わりが見えないときはつらいね。1年半、半年、3カ月と待たなくちゃいけないときがある。だけど急にトンネルの終わりが見えて、霧が晴れるんだ。だから一番難しかったことは、神経を集中させて、自分を強く持ち、高いモチベーションを3年間保ち続けることだね。それが一番の問題だよ。
−−2本の長編を同時期に撮影することは監督にとって、特に新しい経験でしたか。
ベッソン監督 そんなには難しいことではなかったよ。一つの映画で3時間みたいな形でね。「グラン・ブルー」は2時間半、「ジャンヌ・ダルク」は2時間15分から20分みたいにね。それは大きな作品を撮るみたいな感じなんだ。だからそんなに難しいことではなかったんだ。
−−1作目と2作目で一番大きな違いは何ですか?
ベッソン監督 1作目と2作目の大きな違いは“経験”だよ。1作目は何の経験もない。500人が1作目で仕事をし、誰もアニメーション作品を作ったことなかったんだ、私たちはみんな初心者だった。4年後、経験を得て、より自由になったんだ。なぜなら、「ああ、これはこうすればいいんだ」って自分たちで今ならわかるからね。だから、より自由で、より楽しくなった。今作は、よりスピード感があるし、よりジョークも入っているし、驚異的なことだね。だから確実に2作目と3作目は1作目よりよくなるはずだよ。
−−完成版を見て、どのシーンが一番のお気に入りでしたか?
ベッソン監督 たくさんあるけど……冒頭のシーンかな。最初の5分間だね。キャラクターたちがやってきて、フルーツを取ったりするシーンが大好きだよ。王子を待ちながら準備しているセレニアも好きだよ。歌の練習をしたり、ドレスを着たり、お化粧をしたり……このシーンも好きだね。“パラダイス通り”のシーンも好きだね。ブロードウェーとか(パリの)ピガール地区とか、東京の六本木みたいな(笑い)ところなんだ。ネオンがいたるところにあったり、技術的にも、最も印象深いシーンだと思うよ。
<リュック・ベッソン監督>
1959年3月、仏パリ生まれ。83年に「最後の戦い」で監督デビュー。その後、「サブウェイ」(84年)、「グラン・ブルー」(88年)、「ニキータ」(90年)、「レオン」(94年)、「フィフス・エレメント」(97年)などのヒット作を手がける。06年9月に前作「アーサーとミニモイの不思議な国」の3部作で監督引退を宣言。4月に「アデル/ファラオと復活の秘薬」のPRのため来日し会見する予定だったが、アイスランドの火山噴火のため中止になった。「TAXI」シリーズ(3作)、「トランスポーター」シリーズ(2作)などの製作を担当するなど最近はプロデュース業も増えてきている。
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