NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の視聴率がジワリと上昇している。初回視聴率(3月29日)は歴代ワースト1位の14.8%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)だったが、4月12日には最高視聴率18.2%を記録し、6日までの平均視聴率は16.1%までにアップ。確実に視聴者を増やしているようだ。
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ドラマは、マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさんの妻・武良布枝(むら・ぬのえ)さんの自伝「ゲゲゲの女房」が原案。同枠で48年ぶりに放送時間を変更し、午前8時から放送されている。昭和30~40年代の東京都調布市が主な舞台となっており、楽天的で働き者の布美枝(松下奈緒さん)が、水木しげること夫の村井茂(向井理さん)と出会って結婚し、底なしの貧乏生活の中、命懸けでマンガに打ち込む夫を支え、大らかに生きる姿を描く。放送開始当初は布美枝の出身地・島根を中心に物語が進んでいたが、4月下旬から調布での新婚生活が始まり、5月に入ってからは、のちに「ゲゲゲの鬼太郎」となる「墓場鬼太郎」の誕生や、その執筆を手伝う布美枝の姿などが描かれている。
NHKは「40代以上の女性と50代以上の男性によく見られているが、調布編に入って20、30代の女性層にも手応えを感じつつある」とコメント。コールセンターに届く反響では好評が60%を占め、不評は26%といい、番組公式サイトへのアクセスは、初動1カ月としては同枠の最高アクセス数を記録したという。さらに、武良さんの生家のある島根県安来市で開催されている「ゲゲゲの女房ふるさと展」の来場者数は6日まで1万8000人に達している。同展は武良さんの幼いころの写真や使用していたミシンなどの生活用品、ドラマの撮影の様子や台本などの小道具120点などを展示している。
制作統括の谷口卓敬プロデューサーは、「ドラマとしては正攻法で、家族のあり方、肉親との別れ、見知らぬ土地での暮らしなど、多くの人にとって共感できるポイントのある物語を積み重ねています。また、ヒロイン夫婦をはじめとする出演者の演技のアンサンブルの魅力が、ドラマを見応えのあるものにしているのではないでしょうか」と視聴者の共感を得ているポイントを分析。また同局の日向英実放送総局長は「『ゲゲゲの女房』や(8時15分からの総合情報番組)『あさイチ』は時間帯の変更、番組内容ともに視聴者に幅広く受け入れられている」とし、「『(NHKニュース)おはよう日本』『ゲゲゲの女房』『あさイチ』と続けて見る(視聴者の)割合も昨年より上昇している」と一定の感触を得ているようだ。
今後、ドラマは、茂と布美枝の生活がいよいよ行き詰まってくる。布美枝の父が上京し、2人の貧しさを目の当たりにするエピソードを経て、茂が無頼派の編集者・深沢と出会い「鬼太郎夜話」シリーズが順調に刊行。やっと家計が持ち直したと思えば、深沢が病に倒れ出版社が消滅し、再び暮らしに暗雲がただようというストーリー。
谷口プロデューサーは「貧しさはこれから徐々に厳しさを増していきますが、心の温かさを失うことなく、毎日を精いっぱい生きていくヒロイン夫婦を応援していただければと思います」と見どころをコメントしている。(毎日新聞デジタル)
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