ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦め作品を紹介する「はじめの1巻」。今回は、世界的名作「小公女」をモチーフに、海野つなみさんが「Kiss」(講談社)で連載している「小煌女」(440円)です。
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地球が一つの連邦国家になり、宇宙との交流がある時代。連邦の英国(グレートブリテン)自治区にある女学校には、各国、各惑星の上流階級の少女が集まっていた。そこで働くサリーと、惑星トアンから“留学”してきた王女・ジノンが出会う。気さくなジノンに引かれていくサリー。だが学校での人望を集めていくジノンの元に衝撃のニュースが飛び込んでくる……というストーリーだ。
ご存じバーネットの「小公女」を海野つなみが描いたらこうなりました。SF版「小公女」。その名も「小煌女」。時代は宇宙時代、舞台は6つの州からなる地球連邦のヨーロッパ州・英国自治区ロンドンにあるベネディクト女学校。各国・各惑星の上流階級の子女を預かる寄宿学校です。そこで住み込みで働くハウスメイドのサリーが一応、主人公。
でも、そこに惑星トアンの王女が留学名目で地球へ亡命。王女とお近づきになろうと、寮生たちが繰り広げる人間模様。そこから見える、皆の抱える悩みや思い。それは現代の女の子たちが抱えているものと通じるものがあるのです。そんなこんなで、ようやく王女がいる日常も落ち着き始めたころ、惑星トアンが内戦で消滅。王女の運命は大きく崩れ始めるのでした。……と、ここまでが単行本の1巻ですが、その後、想像以上に話は展開していて、今は海野さんが言う通り「SFラブストーリー(しかもラブコメ寄り?)」の色合いが強くなってきています。2巻は9月発売予定ですが、読み進めるにつれ、また何度も読むにつれ、期待を裏切らないのが海野つなみです! こう、ご期待!! で、とりいそぎ1巻をどうぞ。
登場人物のひとりひとりにじっくりとスポットを当てて進んだ1巻は「こんな気になる展開で次に続くなんて、ずるい!」とじだんだを踏みたくなるような引きで2巻へと続いています。「小公女」を読んだことのある方には、あの話がこんなふうにアレンジされるんだと新鮮な驚きもあることでしょう。10年もあたためられていたSFラブストーリーは、モチーフとなっている「小公女」を知らなくても楽しめますし、読者の期待を良い方向に裏切り続けてくれそうな予感がします。外国が舞台になっても小ネタが満載なところもお見逃しなく!
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