ハリウッド俳優の渡辺謙さんの長男、渡辺大さんが16日、東京都内の撮影所であった映画「ロストクライム−閃光」の完成披露イベントに奥田瑛二さんと現れた。「声そっくり。背丈も一緒で、大ちゃん(渡辺さん)は夢中になると早口になるところもお父さんに似ているんです。だから最初気持ち悪かったです。でも、撮影に入った時には渡辺謙さんはいなくなった」という奥田さんに対し、渡辺さんは「奥田さんの『暴投以外なら、どんな球でも取るよ』と言ってくださった言葉を信じて、思いっきりやらせていただきました」と頭を下げていた。
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「ロストクライム」は、前作「プライド・運命の瞬間」から11年ぶりにメガホンをとった伊藤俊也監督が、3億円事件の真相に終止符を打つ問題作。野心あふれる若手刑事・片桐(渡辺さん)は、ある殺人事件の捜査で老刑事滝口(奥田さん)とコンビを組まされる。上層部を無視して独自の捜査をする滝口にいら立つ片桐だったが、被害者が“3億円事件”の犯人グループの1人と知らされる。やがて2人は事件の核心に迫るが、警察は組織をあげてその行く手を阻む……という物語。リアル感を出すために、元刑事で「相棒」や「BOSS」、「臨場」など、数々のドラマや映画の監修で活躍する飯田裕久さんが警察監修を務めている。
奥田さんは現在の渡辺さんの年齢の25歳の時に父親の渡辺謙さんと共演したことを振り返りながら語り、渡辺さんの演技についてキャッチボールにたとえ「彼の球はカーブとか変化球とかなのかと思ったら、全部直球なんですよ。たまにすっぽ抜けのチェンジアップもありました。彼が演技に悩んでいる時です」「この年の差コンビというのは、彼の成長にうまく役立ったと思います」と語った。その上で「いわゆるイケメンでかっこいいだけの俳優でなくて、一人の映画俳優が生まれたのか、それは今日みなさんが映画を見て判断してほしいですが、僕は確信しております」と太鼓判を押した。
イベントでは、開始と同時に会場が暗転し、雷雨の効果音が流れる中、3億円事件の瞬間を再現。撮影でも使った事件当時の白バイクや現金輸送車などが会場に登場した。今回は舞台上で3億円事件を完全再現するため、異例の撮影所内での試写会になった。大映撮影所で試写会をしたのは今回が初めてとなる。イベントの最後には、渡辺さんから「みなさんにプレゼントがあります。どうぞ!」の合図とともに、天井から1万円札に見立てた映画の割引券800枚が、客席に降り注いだ。
映画は7月3日より角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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