話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回はフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」でアニメが放送中のマンガ「屍鬼(しき)」(集英社)です。ジャンプスクエア(SQ.)編集部の嶋智之さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−作品の魅力は?
原作は小野不由美先生のベストセラー「屍鬼」(新潮文庫刊全5巻)となりますので、あえてその魅力を語らずとも世間に認められていることと思います。マンガ版においては藤崎竜先生が独自の筆致によって、群像劇である原作小説から主要人物により焦点を当てる形でアレンジしています。199X年という時代設定の中、藤崎先生なりに綿密に取材を行った成果をページの端々から感じ取ってもらえるとありがたいと思います。
−−作品が生まれたきっかけを教えてください。
ジャンプSQ.創刊にあたって、藤崎竜先生には新しい分野に挑戦してもらおうという考えが編集部にありました。いくつか原作を提案する中で小野不由美先生の「屍鬼」は、作品テーマやジャンルともに藤崎先生の執筆意欲をかき立てるものがあったことがきっかけです(藤崎先生の初期作品「WORLDS」もホラー的な要素はありました)。そこから小野先生に原作小説をお借りできるかどうか交渉を始めて「原作をなぞるのみの作品にしない」というただ一つの条件のもと、ご許可いただきました。
−−作品を作るうえでうれしいこと、逆に大変なことは?
毎月、小野先生にネーム(マンガでいう下絵段階)をチェックいただいているのですが、「楽しんでいます」という一言がマンガ制作サイドにとって何よりの励みになります。また大変というニュアンスとは違いますが、多くのファンを持つ原作小説を毎号打ち合わせていくのは、原作通りの描写にしてもマンガとしてのアレンジを施した描写にしても、常に気の引き締まる思いです。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
現在連載では原作小説の最終5巻目に入り、怒涛(どとう)の模様を呈してきます。マンガ版ではマンガならではの表現で、その「凄(すご)み」を藤崎先生は表現してくれるはずです。SQ.本誌または単行本で最終回までぜひ見届けてもらえればと思います。また同時に、7月からスタートしたアニメもマンガ版をベースに新たな「屍鬼」の世界を紡いでいますので、機会があればご覧ください。よろしくお願いいたします!
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