MD松尾のヒット解析:「タクティクスオウガ」がトップに 年末商戦本格スタート

「タクティクスオウガ 運命の輪」のパッケージ
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「タクティクスオウガ 運命の輪」のパッケージ

 TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の松尾さんは、その経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている。ベテランバイヤーが8~14日のヒットの流れを解析し、今後の動きを予想する。

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 ◇先週(8~14日)の結果

 スーパーファミコンで人気を博したシミュレーションRPGをリメークした「タクティクスオウガ 運命の輪」(PSP、スクウェア・エニックス)が予想通りトップに輝きました。本数的にもちょうどいいバランスを維持しており、ネットでの評価も高いと聞いていますので、ロングセラーも期待できそうです。2位は「ドラゴンボール レイジングブラスト2」(PS3・Xbox360、バンダイナムコゲームス)のPS3版で、こちらは予想以上の売れ行きです。最近の人気タイトルに共通していますが、少年ジャンプでの告知が売り上げにつながっているのでは。あくまでも推測に過ぎませんが、ゲームメーカーにとって、広告効果の高い媒体として認知されている気がします。3位は「ゴッドイーター バースト」(PSP、バンダイナムコゲームス)ですが、「タクティクスオウガ」の影響もあってブレーキがかかった印象です。

 ◇今週の動き

 ハードの新型も発売され、いよいよ年末商戦も本格スタートです。PSPは、「ブラック/レッド」「ホワイト/ブルー」のツートンカラーの新型、PS3はトルネとセットになったレコーダーパックを発売。注目を集めそうなのは、「ポケットモンスターブラック・ホワイト」の伝説のポケモンがあしらわれたニンテンドーDSiの「レシラム・ゼクロムエディション」。ポケモンをあしらった本体が全国的に発売されるのは初めてで、プレミア感も手伝い売り上げを伸ばしそうです。

 ランキングでは、Z指定(18歳以上対象)のFPS(一人称視点シューティング)「コール オブ デューティ ブラックオプス」(PS3・Xbox360、スクウェア・エニックス)のPS3版が断トツでしょう。表現のリアルさゆえにZ指定を受けていますが、細かいところまでのこだわりはシリーズ最高傑作といってもいいほど。操作方法を覚えてしまえば気軽に楽しめるので、PS3を買ったけど「ファイナルファンタジー」と「ウイニングイレブン」しか遊ばないというような新規層やライトユーザーにも楽しんでほしいですね。「ワールドサッカーウイニングイレブン2011」(KONAMI)のPSP版や話題のRPG「スーパーカセキホリダー」も注目です。

 また、コントローラー不要のXbox360向け体感型ゲームシステム「キネクト」も20日に発売。予約は「ダンスエボリューション」(KONAMI)が一つ抜けている感じですが、全体的にはまだまだ。本体とのセット版も発売されますし、今後の展開に期待したいところです。

 ◇ランキングは次の通り(8~14日・TSUTAYA調べ)

1位 タクティクスオウガ 運命の輪(PSP)

2位 ドラゴンボール レイジングブラスト2(PS3)

3位 ゴッドイーター バースト(PSP)

4位 とんがりボウシと魔法のお店(DS)

5位 ワールドサッカーウイニングイレブン2011(PS3)

6位 スーパーマリオコレクション スペシャルパック(Wii)

7位 ポケットモンスターブラック(DS)

8位 ポケットモンスターホワイト(DS)

9位 ラジアントヒストリア(DS)

10位 フォールアウト:ニューベガス(PS3)

 ◇プロフィル

 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約500店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。96年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。02年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩んできた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。 

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