東野圭吾さんのミステリー小説を原作にした映画「白夜行」(深川栄洋監督)のヒット祈願イベントが5日、羽田空港新国際線旅客ターミナルビル内(東京都大田区)のプラネタリウム併設カフェ「Planetarium Starry Cafe」で行われ、主演の堀北真希さん(22)と高良健吾さん(23)、深川監督(33)が登場した。初の悪女役に挑んだ堀北さんについて深川監督からは「どれが本物の堀北さんか分からない」、高良さんからは「つかみどころがない」と絶賛の声があがり、堀北さんは「笑っているけれど、本当は怖い人なんじゃないかと思われるのが心配なんです」とあまりのはまり役に今後のイメージへの影響を心配していた。
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自分の手を汚さずに周囲の人間を不幸に陥れる悪女を演じる堀北さんはどこから役作りをしていいか悩んだと明かし、「無理に理解して雪穂を演じるのではなく、自分が思った雪穂を客観的に演じた。難しい役に挑戦したと思います。見ている人に悪女だと思わせなきゃいけない。さじ加減が大変でした」と苦労を話した。堀北さん演じる雪穂と運命をともにする幼なじみの亮司役の高良さんは、堀北さんについて「昔からよく見ていた女優なので、初めて会った時は『堀北さんだ!』という感じでした。今もつかみどころのない不思議な方。どれなのかなあ。悪女とは気にして見ていないが、とにかくつかめないな」と話し、堀北さんの悪女っぷりをアピールしていた。
「白夜行」は、180万部以上を発行した東野さんの長編ミステリーが原作。05年に舞台化され、06年にはTBS系で綾瀬はるかさんと山田孝之さんの主演でドラマ化された。映画は、大阪の質屋の店主殺害事件で、何人も容疑者が捜査線上に浮かぶが、決定的な証拠がないまま、自殺で一応の解決となる。だが、担当の笹垣刑事(船越英一郎さん)だけは、暗い目をした美しい容疑者の娘雪穂と物静かな被害者の息子亮司の姿が印象深く残っていた。やがて、成長した雪穂と亮司の周囲に不可解な事件が立て続けに起こる……というストーリー。
撮影中、5、6キロやせたという深川監督は「僕らが体を代償にしながら一コマ一コマ撮ったものが、お客さんにどう届くのかが今は楽しみ」と上映へ向けての思いを語った。原作者の東野さんとは「脚本を書いているときにはお会いせず作品をあずけられた。原作を読んだときに最初に受けた、2人の心理描写が細かく描かれていないのにここまで引きつけられるのは何だろうという思いを脚本にした」と語り、映画を見た東野さんに「『映画として力のあるものになっているんじゃないか』と言ってもらえた。東野さんの中ではストライクに入ったんじゃないかな、と思いました」と手応えを語っていた。映画は29日に全国ロードショー。(毎日新聞デジタル)
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