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11月21日(木)放送分
NHKは7日、11年秋の連続テレビ小説「カーネーション」のヒロインに女優の尾野真千子さん(29)を起用すると発表した。ファッションデザイナーの“コシノ3姉妹”の母で自身もデザイナーの草分けとして活躍した小篠綾子(こしの・あやこ)さんをモデルにしたヒロイン・糸子を演じる尾野さんは「ヒロインになることが夢でした。今年30歳になる私ですが、起用してくださりうれしく思っています。明るい女性という役柄なので、元気いっぱい、100%の力で頑張りたい」と感激の涙を見せた。
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「カーネーション」は、大正2年、大阪・岸和田の呉服商の娘として生まれたヒロインの小原糸子(おはら・いとこ)が「女にしかできんことを見つけて自由に生きたい」と裁縫の道を選ぶ。父の反対を押し切って女学校を中退し、ミシンの修業を積んで、20歳のときに洋装店を開業。22歳で結婚するが、3人目の子供をみごもったとき、夫は出征先で戦死、女手ひとつで娘3人を育てることになる。「職場が男の戦場なら、育児はそれ以上の女の戦場です」と言った糸子と、個性あふれる3姉妹が織り成す涙と笑いの子育て奮闘記。映画「ジョゼと虎と魚たち」やドラマ「その街のこども」「火の魚」などの渡辺あやさんが脚本を担当する。
モデルの小篠綾子さんは、岸和田にコシノ洋装店を開業。その後結婚し、24歳で長女ヒロコを出産、以後終戦までに次女ジュンコ、三女ミチコが誕生し、その間オートクチュールの草分け的ヒットを生む。3姉妹が世界的なデザイナーとして活躍するようになった後も岸和田で洋装店を続けた。06年、脳梗塞(こうそく)のため死去した。
尾野さんはヒロインにについて、「4人姉妹というところが同じです(主人公は長女、尾野さんは末っ子)。私の母も洋裁をしていて、物心ついたころから母の周りで遊んでいました。家庭環境が似ているので、ちょっと安心しています」と話した。
東京での会見で尾野さんは「18歳で東京に出てきて、連続テレビ小説のオーディションに何度も通い、いつも自信満々で今回は受かる、今回は受かると思ってやってきた。(受からなくて)ヒロインはないなと思っていたら今年になって、やっと夢がかないました。未熟だと思います。元気いっぱい頑張ります。よろしくお願いします」と思いを語り、朝ドラについての印象を問われると「出たら有名になれると思っていました。それに出れば親孝行になると思って、ぜひ出たかった。送り出してくれた父や母のためにも出たいと思っていた」と話した。3月3日にスーパーで買い物をしている際に出演決定の連絡を受けたという尾野さんは「スーパーで大泣きしました。事務所の方とも泣いて喜びました」と振り返って涙ぐんだ。
また「ほんまもん」以来、オーディションを受けた理由について「私の年齢でも(オーディションを受けても)いいと言ってくれたのでチャンスを与えてくれているのかと思いました。きっとダメだろうと思いましたけど、チャンスというのが頭に浮かんで頑張ってみようと思いました」と話した。
尾野さんは81年11月4日生まれ、奈良県出身。中学生のとき、河瀬直美監督の目にとまり、97年に映画「萌の朱雀」で主演デビュー。河瀬監督の「殯(もがり)の森」(07年)に主演し、この作品がカンヌ国際映画祭でパルムドール賞に次ぐ、グランプリを獲得した。そのほかの出演作に「リアリズムの宿」(04年)、「ヤーチャイカ」(08年)、「クライマーズ・ハイ」(08年)などがある。NHK大河ドラマ「義経」(05年)やNHK連続テレビ小説「芋たこなんきん」(06~07年)にも出演。10年は映画「真幸(まさき)くあらば」「トロッコ」で主演した。10年のドラマ「Mother」(日本テレビ)では、子役の芦田愛菜ちゃんが演じる怜南を虐待する母親・仁美を演じた。(毎日新聞デジタル)
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