雑誌大賞:グランプリに村上春樹さんインタビュー掲載の季刊誌「考える人」

「BestMagazineAward『雑誌大賞』」第一回グランプリに輝いた「考える人」2010年夏号の表紙」
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「BestMagazineAward『雑誌大賞』」第一回グランプリに輝いた「考える人」2010年夏号の表紙」

 雑誌のプロが一番すごかった雑誌を選ぶ第1回「雑誌大賞」の発表があり、グランプリに作家・村上春樹さんのロングインタビューを掲載した季刊誌「考える人」(新潮社)の2010年夏号が輝いた。準グランプリには「非ネイティブの英語術」を特集した「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)10年9月18日号が選ばれた。授賞式は東日本大震災の影響で中止した。

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 雑誌大賞は、電子化の波が押し寄せる中、できるだけ多くの人に雑誌の魅力を伝え、手に取ってもらえる機会を増やそうと設立。半年に一度、100誌の編集長と100人の書店員が「この一冊は凄かった」と感じた雑誌に投票することによって選定される。第1回目の今回は10年7~12月に刊行された雑誌が対象となった。

 グランプリに選ばれた「考える人」のインタビューは、村上さんと編集者が2泊3日で泊り込み、徹底的に対話。ほかのメディアでは引き出せなかったさまざまな話を紹介し、その迫力ある内容に高い評価が集まった。「編集者と作家のあるべき付き合い方をこの1冊から改めて考えさせられた」との声も複数あったという。同誌の河野通和編集長は、「表紙にあるワーズワースの“plain living&high thinking”(シンプルな暮らし、自分の頭で考える力)を基本理念として、02年7月以来、特集に重きをおいた季刊誌として刊行してまいりました。今回の受賞をたいへんうれしく思います。長時間の取材にご協力いただいた村上春樹さんには改めて感謝申し上げます」とコメントを寄せている。

 準グランプリの「週刊東洋経済」は週刊誌であるにもかかわらずバックナンバーも継続的に売れ続けるなど異例の売れ行きを示したことも評価され、特に書店員の票を多く獲得した。雑誌大賞特別賞は、特定号ではなく雑誌単位で最多得票だった「BRUTUS(ブルータス)」(マガジンハウス)が獲得。雑誌新人賞には編集長・書店員双方から約75%の支持を受け、40代女子をキャッチフレーズに創刊された「GROW(グロウ)」12月号が選ばれた。

 また、世の中に流行している言葉で「その流行元はこの雑誌だ!」という雑誌に贈られる「TREND MAKE MAGAZINE賞」は、「ジェイジェイ」(光文社)の「おしゃP」が選ばれた。「おしゃP」は「おしゃれプロデューサーズ」の略称で、ファッション関連業種で働く女性のことを表現している。

 授賞式にはモデルの武井咲(えみ)さんがゲストとして出席して花を添える予定だったが、中止となり、「“Seventeen”のモデルとしてお仕事をさせていただいていることもあり、私にとって雑誌は非常に身近で、いつもいろいろなことを教えてくれる先生のような存在。今後も一緒に雑誌を盛り上げていきましょう!」とお祝いのコメントを寄せている。

(毎日新聞デジタル)

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