はじめの1巻:「帝一の國」 名門男子校舞台に生徒たちのし烈な権力闘争

古屋兎丸さんのマンガ「帝一の國」(集英社)1巻の表紙
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古屋兎丸さんのマンガ「帝一の國」(集英社)1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、超名門男子校を舞台に生徒会長の座を目指して校内のし烈な権力闘争に身を投じる生徒たちの姿を描いた古屋兎丸(ふるや・うさまる)さんのマンガ「帝一の國(くに)」(集英社)です。

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 昭和のある時代、主人公の赤場帝一は、多くの官僚や政治家を輩出した中高一貫制の名門男子校、海帝高校に最も優秀な成績で入学する。帝一は、「総理大臣になり自分の国を造る!」という大きな野望の実現のため、その基礎となる同校での生徒会長の座を目指し、中学からの盟友・榊原光明とともに派閥や謀略、癒着、根回しなど政界さながらの抗争を繰り広げていく……という物語。

 ◇ジャンプスクエア編集部 小菅隼太郎さん 「どろどろした部分を……とリクエスト」

 (古屋さんが「ジャンプスクエア」で執筆した)前作「幻覚ピカソ」の連載終了が見えた段階で、(10年に創刊した季刊誌)「ジャンプSQ.19」の創刊に合わせ「帝一の國」の連載をお願いしました。

 前作でマンガ家・古屋兎丸先生の魅力の一端をジャンプスクエアの読者に紹介することができたので、今回はもっとどろどろした部分を出してほしいとのリクエストを出しました。打ち合わせをした当初の手帳を読み返すと、中高一貫男子校、生徒会、自民党、新撰組……、“巣鴨プリズン”なんて言葉も出てきますね(笑い)。

 また、第1巻の作者コメントにもある通り、兎丸先生は“派閥闘争萌え”なので、これから物語が進んでいくとともにさらに帝一や級友たちの信頼関係や相関関係が面白くなっていくと思っています。そして、読者からの反応を見ると“おかしみ”の部分も受け入れられているのかな、とも考えています。

 ただ、ここからさらに読者の予想を超えていきます。ますますエスカレートしていく帝一と多彩なキャラクターたちに、ぜひご注目ください!

 ◇書店員の推薦文 ひょうたん書店西田本店 筒口征洋さん 「なんだこれは! くせになる」

 コテコテの濃さと仰々しさに「なんだこれは! 何が起こっているんだ!」と終始、驚きっぱなしでした。そのうえ登場人物たちが、大まじめに野望をたぎらせすぎて、逆にうっかり笑ってしまうおかしさも。しかし実は、物語は少年マンガの王道でもあり、駆け引きのある選挙戦はさながらアクションマンガにおける“バトル要素”であり、手に汗握る熱血ストーリーが浮かび上がってきます。過度にハイテンションなシリアスさがおかしいのに、気付けばアツくて燃える展開。これはくせになる!

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