美少女キャラクターが名作文学を読み聞かせてくれるiPhoneアプリ「朗読少女」を大ヒットさせたオトバンクが第2弾として今度は男性版をリリースした。登場するのは金髪のイケメン執事のマーク・ブック。26日、オトバンク自社スタジオ(東京都千代田区)で、朗読を担当する声優の近藤隆さんが公開アフレコを行った。近藤さんは「聞き応えのあるラインアップを一生懸命読ませていただいています。文学ファンも執事ファンも、いろんな方にご主人様になってもらえれば」とアプリをアピールした。
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「朗読少女」は、過去の名作文学などを、声優のささきのぞみさん演じる高校朗読部の少女・乙葉しおりが朗読するiPhone、iPad用アプリで、これまでに50万以上ダウンロードされている。「朗読執事」は、ユーザーから男性版の要望が高まったために企画。ユーザーの呼び方を「奥様」「お嬢様」「お坊ちゃま」「ご主人様」の4種類から選べ、起動するたびに「本日の誕生花」などを教えてくれるなど“執事”ならではの追加機能もユニークだ。
近藤さんは「朗読は、実は結構エネルギーが必要なお仕事なので、力を蓄えておかなきゃなと思いました」と笑顔で話した。役作りについては「執事としての部分では必要ですが、下手に演じてしまうと朗読が難しくなるので、キャラクターは保ちつつ、今後のために色を付けないようにしています」とこだわりを語った。
アフレコ収録はすでに十数回行われており、近藤さんは「思っている感情をせりふで表現するのが声優ですが、文章を音にするのはまた違って、書き手のことをアシストするような感じです」と、普段の仕事と朗読の違いを語った。少女がつたない朗読を聞かせる女性版とは違い、より本格的な朗読を聞かせるという男性版のコンセプトについては「ハードルが上がりますね」と笑いながら「気持ちよく聞いてもらえるようなリズムやテンポ、間の取り方、文章の流れなどを、読み言葉に直す時に気をつけています」とプロの技を紹介してくれた。
同アプリは「羅生門」「まだらの紐(前)」(各115円)、「まだらの紐(後)」「眠る森のお姫様」(各350円)という初期販売タイトルに加え、20日に「幸福の王子」、24日に「高瀬舟」、27日に「雪女」を配信した。今後はミステリーやビジネス書など、少女が読むには難しいジャンルの本を増やし、ユーザー拡大を狙う見込み。(毎日新聞デジタル)