光石研:デビュー作以来33年ぶりの映画主演 「いつも通りに」さえないオヤジを演じきる

「あぜ道のダンディ」プレミア試写会舞台あいさつに登場した光石研さん
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「あぜ道のダンディ」プレミア試写会舞台あいさつに登場した光石研さん

 映画「あぜ道のダンディ」(石井裕也監督)で主演を務める俳優の光石研さんが7日、東京・新宿の明治安田生命ホールで行われたプレミア試写会舞台あいさつに石井監督とともに出席した。デビュー作「博多っ子純情」以来33年ぶりの主演に光石さんは「さえないオヤジの映画ですけれど、監督がすてきに撮ってくれました。若い人は自分のお父さんやお母さんを思い出し、子育てが終わった人は、『昔はこうだったね』と思って見てください」と映画をアピールした。

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 光石さんは主役に決まったときの心境について「話はうれしかったが大変だぞ、頑張らないとというのが先にきましたが、大変がってても舞い上がってても地に足がつかない芝居になっては困ると思ったのでいつも通りに現場に行こうと思いました」と吐露した。

 一方、石井監督は「今回の映画の目的は光石研さんに輝いてもらうこと。そのためには何でもやりました」と話し、最高の作品にするために睡眠時間を削って粘ったことを明かした。また、「光石さんに恥をかかせるのはまずい。33年ぶりの主演で日本映画が誇る名優を僕なんかが汚しちゃったらいけないと思って、そういう責任感は僕にもありましたし、スタッフの人にもあったと思います」と語った。

 「あぜ道のダンディ」は「川の底からこんにちは」で「第53回ブルーリボン賞監督賞」を史上最年少の27歳で受賞した石井監督の最新作。男たる男が生きにくくなった平成ニッポンにおける50歳の男のダンディズムを描く。舞台は北関東の地方都市。宮田淳一(光石さん)と友人の真田(田口トモロヲさん)は13歳の時、自転車であぜ道を走り、時にいじめられ、「カッコいい男になりたい」と涙をこぼすイケてない中学時代を過ごした。そして2人は50歳に。宮田は妻を早くに亡くし、2人の子供と暮らしていた。ある日、宮田は自分をがんと思いこむ。こんなことは真田にしか相談できない。子供たちには弱音なんて吐けない、だって俺は「カッコいい男」なのだから!……というストーリー。ほかに藤原竜也さん、西田尚美さん、岩松了さんが出演する。

 石井監督は「僕なりのいい男、男なんてダメなんですけれど、それでもいい男はいると思う。この時代のいい男、これからのいい男を僕なりに描いたつもりなのでご覧ください」と話した。

 映画は18日から全国順次公開。(毎日新聞デジタル)

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