SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第3話 驚愕の真実 大恩人くま
11月17日(日)放送分
メディアファクトリーの月刊マンガ誌「コミックジーン」が15日、創刊された。「少女のための少年誌」をテーマに、同社で三つ目のマンガ雑誌となる。「まりあ†ほりっく」の遠藤海成さんや、マンガ「戦国BASARA乱・世・乱・舞」の霜月かいりさんを起用した。出版業界が雑誌不振で苦しむ中、あえて“荒波”に乗り出した土方隆編集長と、池上昌平副編集長に話を聞いた(毎日新聞デジタル)
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−−「少女のための少年誌」とはどういう意味でしょうか?
土方 弊社の月刊マンガ誌「月刊コミックアライブ」(06年6月創刊)の3年目ぐらいでしょうか。「少年誌とは?……」の答えを求めて、考えたり、研究している中で、20~30代の女性読者が大手の少年誌を読むことに注目しました。少女誌は恋愛一辺倒のものが多いのですが、少年誌はさまざまなコンセプトのマンガがあり、少女誌で満足できない女性読者は、少年誌を読んでいるんですよ。女性の読者が飛躍的に増えた少年誌ですが、女性向けに作っているわけではありません。「少女のための少年誌」とは、そういう意味なんです。
−−創刊の経緯は?
土方 今の若い子たちが振り返ったときに、自分の世代に何もマンガ誌が創刊されないのはさびしいだろうな……と。我々の時代には、「マンガ少年」(朝日ソノラマが70年代後半に発行、現在は休刊)というマンガ誌があって、私も含めて社内の同世代が若いころに「自分に用意された雑誌」と思って、みんな読んでいました。そういうのを、今の若い子たちにも感じてほしいですね。また編集部としては、大きな目標を立てたほうが邁進(まいしん)しやすい。メディアファクトリーは後発の出版社で、お客さんを広げるためにはチャレンジしかありません。個人的には、いずれ週刊マンガ誌を出したいと思っていますね。
−−「ジーン」の由来は?
土方 元々はコードネームで「G」としていたこと、会議室でGルームを使っていたので、その流れで決まりました。ガールの「G」という意味もあります。
池上 遺伝子の意味もありますし、感動して「ジーン」という意味があります。マンガ誌の利点はさっと手にとって読めるメディアであること。逆にいえば、読んでもらって何らかの感動や得たものがなければ負けです。絶対に白けた雑誌にしたくないと思っています。
−−様子見の増刊でなく、いきなり創刊ですね。
土方 「増刊号」という話もありましたが、潔くない。中途半端なことをしても仕方ないし、最初から声を大にして「創刊」と言いたかったんです。(メディアファクトリーのマンガ誌の)「フラッパー」も「アライブ」もそうやって勝負しましたから。
−−作家には、新人の方がいます。
土方 看板は、遠藤海成さんと霜月かいりさんですね。漣一弥(さざなみ・いちや)さんは、メディアファクトリーの3誌合同の新コミック賞の大賞を取りました。渦八(うずはち)さんは商業誌初となります。少年誌らしくファンタジーや現代劇など多彩な作品がそろっていて、創刊号は18タイトルになりますが、毎号新連載が増えていきます。ちなみに作品の主人公はすべて男性です。最近では、女性が主人公になることが増えましたが、少年誌は本来「少年ががんばる!」という話ですからね。
池上 「女の子が読む」「少年が主人公のマンガ誌」という意識なんです。(キャラクターを)応援したくなるように感情移入をさせながら、かつ温かく見守る物語になっているかなと思います。同人誌即売会でジーンのポスターを張るとさまざまな反応があったのですが、これは作家や読者にも「女子が読む少年誌」という共通認識があるからでしょう。
−−名作の「十五少年漂流記」がマンガになっていますね。
土方 子供たちが知恵でサバイバルを繰り広げて行く物語ですが、ぜひ前からやってみたかったんですよ。
−−創刊号は490円で、ドラマCDなど豪華な付録が付きます。
土方 ターゲットは、中高生の女の子です。500円のコミックスが売れる時代ですから、そのラインでがんばろうと考えました。ドラマCDは創刊から3カ月連続でつけますが、これは中高生の女性読者らが満足して、お得感を出すのが狙いです。携帯電話でもコンテンツを提供し、ブログやツイッターで情報を発信しているのも、デコメを無料で取り放題にしているのもそうです。中高生に手に取ってもらう月刊誌として勝負するということです。
−−編集スタッフも女性ですか?
土方 昔の少女マンガは、男性編集者が作っていましたが、ジーン編集部の半分は女性ですね。ターゲットに近い年齢の子が作るほうがいいということ。女性のビビットな感覚が必要だと思っています。
−−創刊の手ごたえは?
土方 人気作家から新人まで多様なラインアップになりました。この値段でこれだけの付録を付けたので、10代の読者の懐を痛めずにコンテンツを出せると思いますので、楽しみにしてください。
(1)ドラマCD「まりあ†ほりっく御星の森放送部」(出演:杉田智和・岡本信彦)
(2)別冊画集「GENE SUMMIT」(倉花千夏、ヤスダスズヒト、カズアキ、由良、高山しのぶ、okama、toi8、中村龍徳)
(3)クリアファイル「まりあ†ほりっく&黒犬O’clock」
◇プロフィル
ひじかた・たかし=61年広島県生まれ。85年リクルート入社で、98年にグループ会社のメディアファクトリーに移り、マンガ事業にかかわる。現職は「アライブ」「フラッパー」「ジーン」の編集長を兼任している。
いけがみ・しょうへい=72年秋田県生まれ。編集プロダクションを経て、02年にメディアファクトリー入社。フラッパー編集部をへて、コミックジーン編集部に。現職はコミックジーン副編集長。
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