高良健吾:父親になる瞬間を体験「涙が出るとは思わなかった」 「おひさま」で朝ドラ初出演

「おひさま」で丸山和成を演じる高良健吾さん=NHK提供
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「おひさま」で丸山和成を演じる高良健吾さん=NHK提供

 女優の井上真央さん(24)主演のNHK連続テレビ小説「おひさま」で、井上さん演じる陽子の夫・丸山和成役を務める高良健吾さん(23)がこのほど、NHK放送センター(東京都渋谷区)で取材に応じた。朝ドラ初出演となる高良さんは「これだけ長い間一つの役を演じることがなかったので、今までとは違う感情が生まれてきています」と役柄への愛着を感じているようだ。25日に放送予定の陽子が赤ちゃんを抱くシーンでは、「赤ちゃんが笑ったんですよ。計算じゃないから感動する。『なんだよ』って泣けてきた」と照れながら明かした。(毎日新聞デジタル)

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 「おひさま」は、昭和7(1932)年に病気の母のため、東京から長野県の安曇野に引っ越してきたヒロイン・須藤陽子が、父と2人の兄に囲まれながら、青春や国民学校の教師、妻、母としての日々を生き、“そば”で人々をつないでいく物語。井上さんは、戦前、戦中、戦後を生き、人々をおひさまのような明るい希望で照らす陽子を演じている。高良さんは、お見合い結婚で陽子の夫となるが、祝言後にすぐ戦争に向かった老舗そば屋「丸庵」の跡取り息子・和成を演じている。現在、物語は第二次世界大戦後の物語に突入し、舞台も長野県の安曇野から松本に移った。4日からの第14週は、和成が戦地から帰還し、「丸庵」も営業を再開するという展開。

 映画などで一つの役を演じるのは長くても1カ月半ほどだという高良さんは、約3カ月間続く和成としての演技に、「今まではなかったんですが『もしかして和成ってこう言わないかも』ってせりふに疑問を持つことが増えてきた。役に愛情が出てきている。そういう気持ちが出てきたのは面白い」と半年間放送する朝ドラならではの感覚を楽しんでいる様子で、自分からも演技の提案をするようになったという。一方で、周囲の反応については「リアルタイムで撮影しているうちに友だちから感想が届いたり、祖母から電話が来たりで変な感じ。なんか恥ずかしいですよ」と苦笑いし、自分でも演技のチェックをすると話したが、「これから何回も放送されるのに、毎回反省点ばかりじゃしょうがないので、それよりは前を向きますよ」と笑顔を見せた。

 共演の井上さんについては「かなりのプロ。主人公をやる人は違う。いるだけでいい意味で空気が変わる。心の中ではあるのかもしれないけれど、演技に迷いが見えないので、うまいというかすごいなと思います」と演技を絶賛した。自分自身の演技については「朝ドラだからって、視聴者に伝わりやすいように分かりやすいようにっていう押しつけがましい演技はしたくない。だから井上さんに伝わるようにやっています」とこだわりを語った。

 初めての父親役について、高良さんは「父親像をあんまりちゃんと考えてはいない。みんなお父さんになるのは初めてだけれど、毎日毎日ただお父さんである。それでいいと思う。陽子が子供を産むシーンで『お母さんになるんだよ、頑張りなさい!』という産婆さんのせりふに、『あ、俺はお父さんになるんだ。しっかりしなきゃ』って思った。そういうのを瞬間で感じていかなきゃ」と話し、「赤ちゃんが生まれて、陽子が抱くのを初めて見たとき、泣くとは思わなかったんですけれど、赤ちゃんが笑ったんですよ。計算じゃないから感動する。『なんだよ』って泣けてきた」と、役柄上だが父親になった瞬間のエピソードを明かした。

 和成役については「きっと僕が思う理想の父親なんだと思います。芝居ってやったことのないことをしなきゃいけない。お父さんになったことはないけれど、でも芝居ではお父さんになれるんだ。赤ちゃんを抱いたら、今まで抱いたことのない感情が湧いてくる。とても楽しみです」と今後のドラマに期待を寄せていた。制作統括の小松昌代チーフプロデューサーは「高良さんはこんな顔をするかと思うくらい赤ちゃんにデレデレで、本番前から本当の自分の子供のように接しています。(井上)真央ちゃんと取り合いになるくらいかわいがっていますよ」と高良さんのいい父親ぶりを明かしていた。

 「おひさま」はNHK総合で毎週月~土曜午前8時から放送中。

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