神田沙也加:演技は「一番怖くないこと」 舞台「I LOVE YOU」に出演

女優であり歌手という自身の仕事について語った神田沙也加さん
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女優であり歌手という自身の仕事について語った神田沙也加さん

 女優であり歌手でもある神田沙也加さんが、96年8月1日~08年7月27日にオフ・ブロードウェーで上演された大ヒットミュージカル「I LOVE YOU,YOU‘RE PERFECT,NOW CHANGE」(10月8~23日、東京グローブ座)に出演する。同ミュージカルは、神田さんのほか中川晃教さん、白羽ゆりさん、米倉利紀さんが出演し、4人のキャストがいろいろな男女を何十人も演じ分けることになる。現在はキャストの顔合わせをしたのみだというが、神田さんは出演が決まった際「『絶対面白くなる』と思った。4人のキャラクターも得意分野もみんなバラバラ。お互いが刺激し合って、いい経験になるんじゃないかと思います」と意気込みを語った。神田さんに、同ミュージカルに向けての思いや演技について、また歌手活動について聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 同ミュージカルは、オリジナルの演出家であるジョエル・ビショッフさんを迎え、新たに内容を作り直すという。神田さんは「ジョー(ビショッフさん)には、『もうこれ以上ミュージカルの内容を知らないでくれ』と言われた。それを聞いてから、全くまっさらな状態で挑もう。何が起こるか、何がくるかという感じ」と真っ向から取り組む覚悟を見せた。「4人でどんなふうに面白いことができるのかディスカッションしてみたい。面白くできると思います。とにかく芝居も鍛えられそうだし、絶好のチャンスだと思う」と熱く語る。

 物語は、出会ってから恋人になり、結婚するまでを描く第1幕、結婚後を描く第2幕。さまざまな男女の愛の形を18のシチュエーションでつづる。自身の結婚観は? という問いに「結婚願望はすごく小さいころからあった。最初『16歳で結婚しよう』と思っていました」と明かす神田さん。「最初は他人なのに、結婚して家族になって、親になって……。家庭という形を築くことにすごくあこがれがあるんです。でも16歳になってみたら、全然13、14歳のころと感覚が変わっていなかった。それで次に『(結婚は)18歳だ』と思ったんですが、やっぱり自分の中身が変わっていなくて、2回婚期を逃しました」と笑う。

 とはいえ、結婚のタイミングについては「女性はいつでもOKと思っていても、男性は責任を考える人が多い気がする……男性側の問題です」と話し、相手に決断を委ねる方針のようだ。結婚相手に求めるものは? 「絶対に譲れないと思うのは、ポジティブで『大丈夫だよ』と言ってくれるような人だということ。私が結構心配性で悩みやすいので、『この人といれば大丈夫』と思えるような人がいいですね」と理想の相手について話した。

 歌手でもある神田さんに、ミュージカルと歌手としての歌の違いについて聞くと「ミュージカルは、音楽があることで、言いたいことや伝えたい感情が3D(立体的)になっていく。歌になったせりふがドラマチックになっていくので、より思いを分かりやすく伝える効果があるんです」と自身の考えを表現し、「言いたいことが歌になっている限り、明瞭でなきゃいけないし、伝えたいことをいつも明確にしておくべきだと思っています」と歌い方へのこだわりを語った。

 一方、歌手としての歌については、経験したばかりの単独ライブを振り返り、「自分のライブだとずっと緊張感が途切れないので、責任のかけどころが違う。ミュージカルのチームワークとしての責任と、歌手個人としての責任、そこが違うかな……と思いました」と感じたという。

 8月13日に公開される映画「アメイジング グレイス~儚(はかな)き男たちへの詩~」で担当した初の主題歌については「その作品の印象を決定づける大事なもの」という認識ながら、「見ていただいた中で、映画の演出の一部として残れれば。うまく映画の内容と融合しつつ、映画の終わりの空間を温かく包めるように歌いました」とあくまでも裏方としての演出を強調した。

 そんな神田さんにとって女優の仕事とは? 「演技する」とはどういうことかと聞くと、「一番怖くないことです」という迷いのない答えが返ってきた。「たぶん分かりやすく『これは違う』ということがないから、怖くないんだと思います。音楽は音符がある限り基準がありますけど、お芝居は10人の役者が10通り違うことをする。お芝居のくくりの中には限界がない、だからなんでもやってみようと思えるんですよね」と演技の可能性の広がりを表現した。

 次回は、神田さんのオフの過ごし方や今後の生き方などを聞く。

 <プロフィル>

 かんだ・さやか 86年10月1日生まれ、東京都出身。01年、第54回カンヌ国際映画祭で、初出演した映画「Bean Cake(おはぎ)」がパルムドール賞を受賞し脚光を浴び、02年5月に「ever since」で歌手デビュー。03年に映画「ドラゴンヘッド 」でヒロインを演じ、本格的に女優デビュー。04年にミュージカル「INTO THE WOODS」で初舞台。05年2月に1枚目のアルバム「Doll」を発売。その後も舞台を中心に活躍中。 「 レ・ミゼラブル」、「ピーターパン」などの大作にも出演。11年4月20日、デビュー10周年の記念アルバム「LIBERTY」を発売。6月30日に初のワンマンライブを行った。8月13日公開の映画「アメイジング グレイス~儚(はかな)き男たちへの詩~」では出演以外に初の主題歌も担当。11年10月8日から東京グローブ座で上演されるオフ・ブロードウェー・ミュージカル「I LOVE YOU,YOU‘RE PERFECT,NOW CHANGE」は現在チケット発売中。 

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