歌手の城之内早苗さんが、7月20日に新曲「西馬音内 盆唄」をリリースした。6月にソロデビュー25周年を迎え、ますます意欲的に活動する城之内さんに、新曲や近況、おニャン子クラブ時代の思い出などを聞いた。(水白京/毎日新聞デジタル)
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−−新曲「西馬音内 盆唄」では、日本三大盆踊りの一つ、秋田県西馬音内(にしもない)地区の盆踊りを舞台に、切ない女心を歌われていますね。
子どものころから“盆踊り=お祭り・楽しい”とか、そういう目線できちゃったけど、そもそも亡くなった人たちをお迎えする儀式みたいな意味があるんですよね。そういう原点に返って歌のテーマにしたのは初めての挑戦でした。私は身近な人を亡くした経験はないんですけど、イントロが流れるだけで切ない気分になって、さも経験したようなイメージが浮かんでくる曲だなって。
−−今回は、歌詞や曲、アレンジを練る段階から参加して作られたそうですが、完成したオケ(伴奏)を聴いたときの印象は?
いろんな楽器が“いっせーのせっ”でこの曲を奏でたとき、「私には今までこんな曲なかった!」と思いました。子どものころからマイナー調の演歌っていうものにあこがれて歌っていたんですけど、それを初めて自分のものとして手に入れたような気がしましたね。
−−26年目の新境地ですね。
デビュー曲「あじさい橋」のジャケット写真があじさいの浴衣姿だったんですけど、あれから25年、一区切りというところで、また浴衣姿のジャケットになったという。これも、再スタートみたいな感じがあるのかなって思います。
−−そこで、時をさかのぼっておニャン子クラブのころのことをおうかがいしたいのですが、グループにおける当時の城之内さんの立ち位置って?
私は、いろんな意味で後ろのほう。後ろは楽だから(笑い)。もともと私は(歌手としての)勉強のために番組(「夕やけニャンニャン」)のオーディションに行って来いって言われて。「どうせ落ちるから。番組が続いても3カ月だから」って。それが受かっちゃったわけで。演歌をやりたいというところで、ここ(番組に出て)からどうなるわけでもないし、踊れないし。なるべくスタッフと目を合わさないようにって後ろに(笑い)。
−−よく当時のおニャン子には“国生さゆり対新田恵利”の派閥があったと聞きますが……。
思いっきり取っ組み合いのけんかをしたわけでもないし、いがみ合うこともなかったし。ただ、嫌いだから近寄らないという感じで、2人は合わないんだなっていうのは感じていました。だから今、2人が仲よく旅番組とかに出てるのを見ると、ホントにホッとしますよね。円くなったなあって(笑い)。
−−ちなみに、城之内さんはどっち派だったんですか?
私は、こっちがいいときはこっち、そっちが楽しそうなときはそっちっていう調子のいい感じで(笑い)。平和主義というか、わりと事なかれ主義的なので。
−−最近は、AKB48をはじめとしたグループアイドルがブームになっていますが、当時のおニャン子との違いは感じますか。
彼女たちは自分っていうものをよく知っているし、プロフェッショナル。プロ意識がすごいなって。でも私たちのときは“自分探し”の一環で、アルバイト感覚だったんです。恵利ちゃんがよく「ちょっと時給のいいバイトだった」って言うんですけど、まさにそれだと思いますね。
−−あれから、早25年。今、思い描いている夢や目標は?
等身大で、頑張らない感じで(笑い)。ただ、いい意味でみなさんを裏切ることができるような歌手でいたいですね。
<プロフィル>
1968年5月17日生まれ、茨城県出身。85年にフジテレビ系バラエティー番組「夕やけニャンニャン」のオーディションに合格。翌年6月に「あじさい橋」でソロデビュー。初めてハマッたポップカルチャーは「ビューティ・ペア(ジャッキー佐藤とマキ上田による女子プロレスコンビ)」。「小学校の中学年くらいだったんですけど、私のあこがれでした。ビューティ・ペアの次を担うのは私しかいないと思っていて(笑い)、リングでデビューするのがあこがれ、みたいな。だから、練習に励んで弟に技をかけたり。あれは青春でしたね」
「西馬音内 盆唄」発売記念ミニライブ 19日午後1時~、午後3時~千葉県成田市・ユアエルム成田店1Fセンタープラザ▽文化放送「走れ!歌謡曲」サマーライブ 8月5日午後6時~東京・浜松町 文化放送1Fイベントスペース▽遊遊ミュージック 演歌フェスティバル 9月2日午後6時~東京・四谷区民ホール(はがきに住所・氏名・電話番号・観覧希望の人数を明記の上、〒105-8002 文化放送「鈴木純子の遊遊ミュージック 演歌フェスティバル」係まで。締め切りは8月12日、文化放送到着分)など。詳しくは公式ホームページhttp://www.ogipro.comまで。
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