現在放送中の「桜蘭高校ホスト部（クラブ）」（TBS系）で連続ドラマ初主演を果たした女優でモデルの川口春奈さん。原作は、葉鳥ビスコさんが月刊少女マンガ誌「LaLa」（白泉社）で02年から連載し、全18巻で累計1200万部を突破している人気マンガ。名家の子女が集まる「桜蘭高校」に一般庶民ながら特待生として入学した川口さん演じる藤岡ハルヒが、超セレブの須王環が部長を務める「ホスト部」の800万円の花瓶を割り、借金返済のためホスト部に入部する……という物語。ドラマ化を初めて聞いたときは「原作がすごく有名で、マンガを読んだらハチャメチャな話で『映像化できるのかな？』と思った」という川口さんに、撮影現場の様子などを聞いた。（毎日新聞デジタル）

あなたにオススメ

来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹”　朝ドラヒロインまで手が届くか

　マンガはあまり読まないという川口さんだが、原作は「周りの友人や姉がかなり好きな作品だった。ハルヒをやれることにすごくありがたいなと思いました」と初主演のドラマには並々ならぬ思い入れがあるという。「キャラクターがとても濃くてよくできている。話もただ笑えるだけじゃなくて、毎回感動するシーンがあって原作もスイスイ読めた。すごくテンポがいい青春ラブコメディー。設定もそうなんですけれど、なかなかほかにはない内容のドラマだと思う」と魅力を語る。

　ドラマのキャラクターで好みの男性は？と聞くと「みんなすごく個性があって好きなんですけれど、モリ先輩が人間らしくて好きですね」と中村昌也さんが演じる野性味が売りの寡黙な銛之塚崇をチョイス。「寡黙な人が好きなわけじゃないんですけれど、ギャップがいい。すごく優しいし、困ったときは助けてくれる」とはにかみながら、理想の男性像も告白した。

　川口さんが演じるのは、外見を全く気にせず、男性と間違えられたことがきっかけで、男性の制服を着てホスト部の部員になるという“男装女子”という特殊な役どころだが、それほど男っぽくしようという意識はない。役作りで大事にしているのは、ハルヒの独特のテンションや空気感だという。「周りの濃いキャラクターに流されないようにというのが難しい。男装については自分としては、あまり意識していない。（元のキャラクターは）中性的だと思うんです。自分が原作を読んで持ったイメージ通りに、自分らしくできたら」と話す。

　ハルヒとの共通点を聞くと、「似ているとは思いません。似ていないところの方が多いと思うんです」というが、「好き嫌いがはっきりしていてさっぱりしているところは似ているのかな。自分がマイペースだと思ったことはないんですが、周りからはそういわれます」と、役を通して自分で知らなかった自分を発見したことを明かした。

　まっすぐな視線と無邪気な笑顔を見せる川口さんだが、実は人見知りが激しいという。「全然話せないですね」と苦笑するが、今回のドラマのキャストとは「一緒に話したり、写真を撮って遊んだり、DVDを見たり、ご飯を食べたり。すごく優しくしてくださる。楽しいですね」とうれしそうに話し、「撮影に入る前にリハーサルとかもあって、皆さんと顔を合わせることがたくさんあったので、それが大きいのかな。現場に行くのがすごく楽しいし、あのメンバーでお仕事できるのがすごく楽しい」とうれしそうに話した。

　そんな川口さんにとって、女優の仕事とは？ 「全然まだ自分でも実感がわかないんですけれど、自分とは違う人物になれる魅力的なお仕事だと思います。長く続けていきたい」と、真摯（しんし）に語った。今後やってみたい役は「ハルヒもそうですが、みんなから愛される、可愛いと思われる役がしたいですね」と、これから出合う役柄に思いをはせていた。

　次回は、川口さんのオフの家での過ごし方、あこがれている人や今後やりたいことについて聞く。

　＜プロフィル＞

　95年2月10日生まれ、長崎県出身。07年、第11回ニコラモデルオーディショングランプリに選ばれ、ローティーン向けファッション誌「ニコラ」の専属モデルとして芸能界デビュー。08年子ども向けバラエティー番組「ファイテンション☆テレビ」（テレビ東京系）でテレビ初出演、09年に「三井のリハウス」のオーディションに合格し、第13代リハウスガールとしてCMなどに出演。同年にドラマ「東京DOGS」（フジテレビ系）で女優デビュー。10年3月にドラマスペシャル「初恋クロニクル」（BSフジ）で初主演を務めるなど、ドラマ、CM、ミュージックビデオなど幅広くで活躍する。11年に入って、5月号で「ニコラ」専属モデルを卒業し、6月公開の映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」で映画初出演を果たす。主演ドラマ「桜蘭高校ホスト部」（TBS系）は、毎週金曜深夜0時20分から放送中。