市川知宏:10代最後に「ピグマリオン」で初舞台初主演

10代最後に初舞台に挑戦する市川知宏さん
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10代最後に初舞台に挑戦する市川知宏さん

 俳優の市川知宏さん(19)が19日~9月4日に東京都豊島区の劇場「池袋あうるすぽっと」で開催される舞台「ピグマリオン」で初主演を果たす。市川さんは現在19歳で、この年齢で主人公のヘンリー・ヒギンズ役を演じるのは、33歳で演じた高島忠夫さんを抜いて、史上最年少記録となる。舞台最終日の2日後には20歳の誕生日を迎える市川さんに、初舞台となる同作への意気込みや、10代最後の思いなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「ピグマリオン」は、ミュージカルや映画の「マイ・フェア・レディ」の原作となったジョージ・バーナード・ショー氏の戯曲で、日本でも舞台化され、過去に高島さんや宝田明さん、平幹二朗さんなど多くの名優がヒギンズ役を演じてきた。物語は、誰の発言からでも出身地を当てるという音声学の天才である言語学者・ヒギンズが、ひょんなことから花売り娘イライザと出会う。イライザはヒギンズに淑女のしゃべり方を教えてほしいと頼み込むのだが……というストーリー。

 初舞台でいきなり初主演に抜てきされ「いつかは舞台をやってみたいと思ってたんですが、まさか(こんなに早く)やるとは思わなかった」と振り返る。「心の準備とかも全然してなかったんで、(最初は)イメージもつかめなかったです」と明かしながらも、「お話が来てから4カ月近くあったので、(石原さとみさんらが出演する)劇団☆新感線さんの『港町純情オセロ』など舞台を見に行きました」と準備に余念がない。会場となる「池袋あうるすぽっと」で上演されている他公演も見に行ったそうで、「実際に何カ月後かに自分がここでやるので、観客としての見方を知っておこうと思って。見ていたら変に緊張しちゃって、すごいドキドキしてましたよ」という。

 「舞台ははじまっちゃったら止まらないですからね。でも何が起こっても死ぬわけじゃないから」と笑う市川さん。「これまで演じられたヒギンズとは年齢も全然ちがうから、わりと意識しないというか別物と考えてます」と柔軟にとらえているようだ。ヒギンズについては「最初は機械的な人間というイメージでした。でも意外と人間らしくて、すごい“ドS”。『自分の言うことを聞け』みたいな人間ですね」と分析。市川さんとの共通点をたずねると、「あまりないですね。(ヒギンズは)自分の世界があるというか、音声学がすごい好きでそれに没頭しちゃう人。僕はそういうのはないです」と明かした。

 イライザ役に高野志穂さん、イライザの父・アルフレッド役に尾藤イサオさん、イライザに恋する青年・フレディー役に加治将樹さんなど6人のキャストによって物語は進んでいく。「今回、みんなを見下す役なので、そこが苦労しました」と話す。稽古(けいこ)帰りは役柄の余韻が残ってしまうそうで、「稽古場に自転車で通ってて細い道を通るんですけど、(前方から人が来たら)いつもなら譲るところを、稽古帰りは『どいて!』みたいな(笑い)。ちょっとえらそうな態度をとってしまいます」と明かした。淑女に“育てる”という役柄については、「(育てる側は)結構大変だと思います。今の女性は強いですからね」とちゃめっ気たっぷりに話し、「25、26歳の女性にあこがれます。大人だし、でも大人すぎず子供すぎず……あこがれですね」と素顔をのぞかせた。

 数々のドラマや映画にも挑戦している市川さんだが、「舞台は考えることが多いです。というのも、今回は主演ということもあって、セリフの量も多い。今までで一番考えてる気がします」と話す。舞台最終日の2日後には20歳の誕生日を迎えるが、「10代最後でこの舞台を経験できるのは大きいです。これを終えて誕生日を迎えたときの心情が気になるし、楽しみですね」と思いをめぐらす。「20歳になってからの打ち上げでは絶対飲まされるので、それは嫌(笑い)。誕生日当日は1人で静かに祝杯をあげたいと思います」と話した。

 イライザに頼まれ半年でしゃべり方を直すと約束するヒギンズ。舞台ではイライザが頼みに来る場面、その3カ月後、さらに3カ月後と描かれる。「全部苦労しているので全部見てほしいですが、とくに感情の動きが多い(イライザに依頼されてから)半年後の部分に注目してほしいです」と話し、「よくブログで『頑張ってください』ってコメントをみなさんからいただきますが、うそでもいいから『(舞台を見に)行きます』って書いてください!(笑い) もちろん来てくれたらうれしいです!」とアピールしている。

 舞台は「アトリエ・ダンカン」のプロデュースで、19日~9月4日に上演。市川さんら出演者が登場するアフタートークショーは21、23、24、29、31日に開催予定。

 <プロフィル>

 1991年生まれ、東京都出身。第21回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを獲得。ドラマ「乙男(オトメン)」(フジテレビ系)や「曲げられない女」(日本テレビ系)に出演し注目を集める。映画は「書道ガールズ!!わたしたちの甲子園」、「恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方」に出演。放送中のドラマ「チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸」(関西テレビ・フジテレビ系)では、解剖助手の須賀秀介役を演じている。現役の早稲田大生。

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