松山ケンイチ:初披露の清盛姿で被災者と交流 12年大河ドラマ「平清盛」ロケ地の岩手で

清盛姿を初披露した松山ケンイチさん
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清盛姿を初披露した松山ケンイチさん

 俳優の松山ケンイチさん(26)が26日、岩手県奥州市にある「えさし藤原の郷」で、12年のNHK大河ドラマ「平清盛」の扮装(ふんそう)姿を初披露した。松山さんは、同施設で開催された東日本大震災で被災した人々を含む300人のファンとの交流会「ふれあいミーティング」に登場。松山さんは「3月11日以降、この仕事について考えた。テレビドラマや映画は、前向きになって生きる力、勇気を与えられる。(台本の)清盛はすごくパワーのある人間。多くの問題や苦難を笑いながら突き進んでいく力がある。何より生きることを楽しんでいる。そういうものを伝えられるよう、やっています」とファンに向けて話しかけた。

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 「えさし藤原の郷」は、93年7月~94年3月に放送された大河ドラマ「炎立つ」の撮影のために建設されたオープンセットで、現在はテーマパークとして運営されている。同ドラマは、当初からこの施設で撮影する予定だったが、東日本大震災で施設の塀にひびが入ったり、建物が50センチほど傾いたりするなどの被害があり、また俳優やスタッフなどが宿泊する周辺のホテルなどのインフラもダメージを受けたことから、同施設を含む東北での撮影を取りやめ、京都方面で撮影することも検討された。しかし、5月の連休明けごろ、奥州市から撮影のために復旧を急ぐからと申し入れがあり、予定通り同施設で撮影に至ったという。29日まで撮影が行われる。

 「ふれあいミーティング」には清盛の正妻となる平時子役の深田恭子さん(28)、日宋貿易と国家構想で清盛の師となる信西(しんぜい)役の阿部サダヲさん(41)も登場し、それぞれ役衣装の姿を披露した。奥州市と交流のある大船渡市から東日本大震災で被災した人々のうち30人と、NHKネットクラブのプレミアム会員の計300人が参加。トークショーのほか、参加者からの質問に松山さんらが直接答える時間も設けられた。

 震災で被害を受けた岩手県大船渡市から参加した男性は自身の名前と、信西の俗名・通憲(みちのり)の読みが同じであることを「親近感がわきます」と喜んだ。また奥州市から参加した女性に「被災地の方も笑いを保てるような秘訣(ひけつ)は?」と聞かれると、松山さんは「僕自身はそんなに明るい人間ではない。(清盛を演じるため)周りを頼っている。周りとコミュニケーションすることでパワーをもらって、それを清盛にしてドカッと出す。一人で考えるとネガティブに、自分のことしか考えなくなる。たくさんの人と話をしてると(元気を)もらえます」と自らの体験を例に挙げて回答し、「この清盛(ドラマ)見ても笑いを維持できると思います」と付け加えた。阿部さんは同じ質問に「もしよかったら、エキストラさんとして(撮影に)参加して」と呼びかけた。

 松山さんは最後に「来年から(大河ドラマで、被災地の)みなさんの元気になれるようにやっていきます。被災地以外の方にも絶対元気を与えられる。期待してください」と力を込めた。

 「平清盛」は、武士が貴族たちから差別されていた時代、本当の親を知らないまま、武士の新興勢力・平氏のもとで育てられた少年が、瀬戸内海の海賊を束ね“武士の王”となり、貿易こそがこの国が豊かになる道だと人々に説く……という視点で描かれる。清盛の20~30代をメーンに、清盛の死後、壇ノ浦の戦いまでをドラマ化する予定。放送は12年1月スタート。全50回を予定。(毎日新聞デジタル)

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