ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
「X-MEN」や「アイアンマン」「マイティ・ソー」といったヒーロー作品映画の原作で知られるマーベル・コミック。その初代ヒーローがついに「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」(ジョー・ジョンストン監督)として映画化され、14日に公開された。1942年、軍の極秘実験スーパー・ソルジャー計画によって超人的な肉体を手に入れた主人公スティーブ・ロジャース。米国の象徴である星条旗をモチーフにしたコスチュームと盾を身に着け、“キャプテン・アメリカ”として正義のために戦う彼の活躍が、迫力の映像とともに展開する。主人公スティーブを演じたクリス・エヴァンスさんが、このほどインタビューに応じた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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今作を見終えたら、誰もが「マイティ・ソー」や「アイアンマン」といったこれまでのスーパーヒーローたちが一堂に会する「ジ・アベンジャーズ(原題)」(12年公開予定)の最後のピースがハマったとワクワクするに違いない。一方、マーベル・コミックの初代ヒーローながら、最後の最後でメンバーに加わることになった「キャプテン・アメリカ」を演じるエヴァンスさんは、この役のオファーを受けたときのことを「怖かった」と打ち明ける。なぜなら「マーベルの巨大な資産であり、多くのファンに愛されているキャラクターだから」だという。そうした恐怖心は、「一日一日を着実にやっていく」ことで折り合いをつけていった。その背景には「自分がこの作品を選んだという事実を受け入れる必要があった。自分が選んだことなら文句はいえない」という信念があった。
今作でスティーブは、スーパー・ソルジャー計画によって劇的な肉体的変化を遂げる。変身後の筋肉隆々の肉体は、毎日2時間、3カ月のトレーニングと鶏肉料理によるたんぱく質摂取により作り上げていったという。変身前のもやしのような肉体もまたエヴァンスさん自身のもので、実際の肉体の映像をコンピューターグラフィックスで縮めたという。だが貧弱な自分を見て「それほど違和感はなかった」と話す。というのも、「10代のころの僕はとても小さくやせていて、だからまるで13歳のころの自分を見ているようだった。実際、あの姿を見て、知人の多くは10年前のクリスだと話していたくらいだよ」と笑う。
エヴァンスさんはかつてマーベル・コミックの「ファンタスティック・フォー」シリーズで、ジョニー・ストーム=ヒューマン・トーチ(2代目)を演じたことがある。原作の初代ヒューマン・トーチは、第二次世界大戦中、キャプテン・アメリカとともに戦ったことがあり、この関係には因縁めいたものを感じる。その指摘にエヴァンスさんは「実際いくつかのコミックでは、ジョニー・ストーム(ヒューマン・トーチ)とキャプテン・アメリカは一緒に戦っている。それはちょっとおかしくて皮肉だよね」と賛同する。また、当時の経験で今回役立ったこととして、「こうしたたぐいの映画作りが、正確さを期するために、いかに時間がかかるかを知ったこと」と、「映画完成後のプロモーションで、いろんな場所に行き、多くの質問に答えなければならないこと」を挙げた。ちなみにエヴァンスさんは、今作のプロモーションが大好きだという。「だって、とてもいい作品だし、この映画を作りながら、素晴らしい友だちを作り、素晴らしい時間を過ごせたんだからね」と胸を張った。
マーベル・ファンはもとより、多くの映画ファンが「ジ・アベンジャーズ」でのヒーローたちの集結を楽しみにしていることは想像に難くない。そこでエヴァンスさんに「ジ・アベンジャーズ」でのキャプテン・アメリカの活躍について、気が早いが聞いてみた。
するとやや残念そうに「それについてはあまり話せない」としながら、「だけど、彼(キャプテン・アメリカ)は場違いな感じであることは確かだ。彼にとっては新しい世界と新しい場所。そういったことに順応しないといけないんだ」と話した。そして、アイアンマンやハルク、ソーに(「マイティ・ソー」でジェレミー・レナーさんがノンクレジットで演じた)ホークアイ、(「アイアンマン2」でスカーレット・ヨハンソンさんが演じた)ブラック・ウイドウ、さらに(「アイアンマン」や「マイティ・ソー」でサミュエル・L・ジャクソンさんが演じた)ニック・フューリーといった、これまでの作品にかかわりがあるキャラクターの「ほとんど全員」が登場することを示唆した。
ならば、「ジ・アベンジャーズ」がより面白くなるよう、今作「キャプテン・アメリカ」で注目しておくべき場面やエピソードは?と聞くと、「それは明らかに、スティーブ・ロジャースと、トニー・スターク(「アイアンマン」の主人公)の父ハワード・スタークの関係だね。ハワードは、『キャプテン・アメリカ』に出ているんだ」と答えた。また、自身のお気に入りの場面として、スティーブが自分の面倒を見てくれるタフな女将校ペギー・カーター(ヘイリー・アトウェルさん)と「初めての恋を切りひらこうとする」場面を挙げた。
「キャプテン・アメリカ」について、実は「知っていたのは名前程度。誕生の経緯などは知らなかったから、原作本を読みまくった」と役作りについて打ち明けたエヴァンスさん。それでも、今回のオファーを受けたことを「今まで下した中で最高の決断だった」と満足げに話していた。その言葉が決して誇張ではないことは、完成した映画を見れば明らかだ。
<プロフィル>
1981年米マサチューセッツ州出身。地元の劇団で活動を開始。その後ニューヨークに移り「リー・ストラスバーグ・インスティチュート」で学ぶ。テレビ番組や映画に出演し、05年、「ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]」のヒューマン・トーチ役でブレーク。続編「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」(07年)にも出演。その他のおもな作品に「セルラー」(04年)、「私がクマにキレた理由(わけ)」「サンシャイン2057」(ともに07年)、「フェイクシティ ある男のルール」(08年)などがある。
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